2026年F1カナダGPは、モントリオールで初めてスプリント形式が導入される歴史的な週末となるが、主催者は開催直前の段階でチケットが完売していないことを認めた。今年のカナダGPにはF2とF1アカデミーも加わり、サーキット・ジル・ビルヌーブは改修後初の大規模拡張イベントを迎える。しかし、Le Journal de Montrealによれば、テラス席、スイート、グランドスタンド、ホスピタリティ関連のパッケージには依然として空きが残っている。
スプリント初開催でも残る空席カナダグランプリのジャン=フィリップ・パラディ会長兼CEOは、今年の販売状況について、単純な需要低下ではなく、収容力と商品構成の拡大が背景にあると説明した。「今年はいくつかのエリアと商品で収容力を増やした。特にスイート、ビーチにあるCGVエクスペリエンス・プラットフォームで増やしている」「一般入場、コンサート付きのCGVエクスペリエンス、テラス席、そしてホスピタリティエリアのクラブパッケージにはまだチケットが残っている。これらは企業グループ向けのものではない」一方で、昨年のレース後には大幅なチケット価格の引き上げが行われ、一部の3日間グランドスタンドパッケージは約20%値上がりしたと報じられている。個別日程のチケットも現在販売中であり、需要の鈍化と価格上昇の影響が重なっている可能性がある。2035年までの契約延長を見据えた大型投資主催者側は、チケットが残っている状況を認めつつも、今回の拡張は長期的な成長戦略の一部だと位置づけている。モントリオールは2035年までF1開催契約を延長しており、世界各地の常設型パドックや大型ホスピタリティ施設に対抗する必要があった。サンドリーヌ・ガルノーCOOは、近代化の必要性を強調した。「数年前から話し合っていた。特に世界中のホスピタリティ施設を見たあとで、その必要性を感じていた」「常設パドックに対抗するには、収容力を増やして競争力を持ち、より近代的になる必要があった」「我々は巨大なスポーツイベントを開催している。必要な構造物を備えなければならない」“スーパ―サタデー”で週末価値を引き上げる狙い今年のカナダGPは、モントリオール初のスプリント週末としても注目される。パラディは、金曜から日曜まで競争要素を増やすことで、観客にとっての価値が高まると説明した。「モントリオールのファンは、世界最高のドライバーたちを見たいと思っている」「個人的には、マシンをテストしている人たちを見るより、本当の競争を見るほうが素晴らしいと思う。ステファノ(ドメニカリ)に同意している。これは他のすべての主催者にも勧めたい。週末に追加の意味を生み出し、一種の“スーパーサタデー”を作るからだ」さらに、今季序盤にバーレーンとサウジアラビアのF2ラウンドが中止された影響により、F2が急きょモントリオールのサポートレースに加わった。F1アカデミーも含め、今年のカナダGPは例年以上に厚いレースプログラムとなる。それでも開催直前に完売へ届いていない事実は、F1人気の低下というより、チケット価格の上昇、ホスピタリティ拡張、そして観戦商品の高額化が、伝統あるグランプリにも現実的な影響を与え始めていることを示している。