2026年F1参戦を控えるキャデラックF1に対し、パドック内では早くも警戒と注目が入り混じった評価が広がり始めている。十分な技術スタッフ、経験豊富な経営陣、そしてバルテリ・ボッタスとセルジオ・ペレスという実績あるドライバー陣を揃えたGM支援のアメリカンチームは、単なる新規参入以上の存在として見られつつある。
2025年シーズン終盤の昨年11月、アストンマーティンのスポーティングディレクターで、F1で数十年の経験を持つアンディ・スティーブンソンは、キャデラックF1のポテンシャルについて率直に語った。「正直なところ、キャデラックがどうマネジメントしていくのかを我々が判断するのはとても難しい」とスティーブンソンは語った。「ただ、非常にプロフェッショナルなチームを作り上げているのは明らかだし、強力な資金基盤もある」さらにセルジオ・ペレスについても、次のように評価している。「チェコについては、私は大ファンだ。彼がキャリアを再スタートさせる姿をぜひ見たい。素晴らしい才能を持ったドライバーだからね」「彼は本当に優れたレースドライバーだし、再びサーキットに戻ってくるのを見るのが楽しみだ」もっとも、その称賛にはライバルとしての本音も滲む。「キャデラックがあまりうまくいかないことを願ってはいるけれど、決して軽視できる存在ではない」「我々が見てきた限りでは、本物のチャレンジになる。非常にプロフェッショナルな体制になるだろう」この発言は、新規チームに対する慎重な敬意と、実力を測りかねているがゆえの警戒心が同居していることを示している。準備はすでに始まっているキャデラックF1はすでにシルバーストンに拠点を構え、元マルシャ代表のグレアム・ロードンが技術体制を率いている。シミュレーター走行だけでなく、2年落ちのフェラーリSF-23を用いた実走テストも完了しており、準備は着実に進んでいる。新レギュレーションという追い風2026年はF1が新たなレギュレーションサイクルに突入する年でもある。この“リセット”は既存チームにとってはリスクだが、十分な投資と準備を行う新規チームにとっては大きなチャンスにもなり得る。この点について、メルセデスの副テクニカルディレクターであるシモーネ・レスタも、スティーブンソンと同様の見方を示している。「彼らは多額の投資を行い、多くの人材を採用している。外から見ている限り、非常に良いやり方で問題にアプローチしている」とレスタは語る。「課題は多いが、フェラーリのパワーユニットを使うことで、少なくとも一つの大きな問題は抱えずに済む。十分に戦える位置に来る可能性はある」さらに、自身の過去の経験にも触れた。「私が以前関わっていたハースの例のように、小さなチームでも新しいレギュレーションの始まりで良い仕事ができたケースはある。だから私は彼らを過小評価しない」「挑戦ではあるが、誰にでも可能性はある」“サプライズパッケージ”になる可能性野心的な体制、経験豊富な首脳陣、そして実績十分なドライバーラインアップを備えたキャデラックF1。ライバルたちは表向きは成功を願わない姿勢を見せつつも、内心では“予想以上に早く脅威になる”可能性を想定し始めている。2026年、キャデラックF1は単なるデビューイヤーの新規参入チームでは終わらないかもしれない。パドックの内側ではすでに、シーズン最大のサプライズとなる可能性に備える空気が漂っている。
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