キャデラックF1は2026年のデビューを目前に控えているが、リザーブドライバー枠はいまだ未定のままだ。チーム代表グレアム・ロードンは、急いで人選を進めるつもりはなく「国籍ではなく実力で選ぶ」と強調している。ゼネラルモーターズが支援するこのチームは、すでに経験豊富なレースラインナップを固めており、初年度シーズンはセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスが出場する。また、インディカーのスターであるコルトン・ハータもテストドライバーとして契約済みだ。
だが、体制の中核が整う一方で最後のピースであるリザーブ枠は空いたままで、ロードンは急いで埋めるつもりはない。「我々はまだ探し始めていないし、チームのリザーブポジションについて誰にもオファーをしていない」とロードンはF1.comに語った。「ただ、これからそのポジションに目を向ける予定で、それがラインナップを完成させることになる」実力主義、国籍は二の次ロードンは以前から、キャデラックの採用方針は国籍に左右されないと強調しており、アメリカ人ドライバー起用への思惑に対して釘を刺している。「我々は実力でドライバーを選ぶ。実力で選ぶからといってアメリカのパスポートを持てないわけじゃない。候補は多くいる」と彼は今年初めに説明している。米国のファンにとって母国ドライバーがコックピットに座る可能性は開かれているが、保証はされていない。さらに、初年度にパワーユニットを供給するフェラーリがこの問題に意見を述べる可能性もある。「F1チームは今年や来年の活動だけで判断できるものじゃない」とロードンは語った。「チームは長く存在し続ける。ファンはアメリカのチームでアメリカ人ドライバーを見るのを望むだろう」「それを妨げるものは何もないが、我々はただ実力で選び、チームを築いていく必要がある。非常に経験豊富なドライバーが何人か利用可能なのだから」タイミングがキャデラックに追い風?キャデラックは2025年の慌ただしいドライバーマーケットに参戦できなかったが、ロードンはむしろそれを利点と捉えている。「我々は前回のドライバー交渉のラウンドに参加できなかったので、多くのチームとタイミングがずれている。ただ、それにも利点はある。現時点で非常に優れたドライバーが多く市場に出ている」ロードンは続ける。「ドライバーラインナップをどう構成するにせよ、それは強力なものになるだろう」ペレスとボッタスが経験を持ち込み、ハータがアメリカンテイストを加える中、キャデラックがリザーブドライバーに下す最終決断は、F1初年度の成績を左右する重要な要素となりそうだ。