キャデラックは2026年シーズンに11番目のチームとしてF1グリッドに加わる準備を進めている。GMモータースポーツはNASCARやインディカーなどで豊富な実績を持つが、F1は新規参入チームにとって容易な舞台ではない。そのため同チームは舞台裏でさまざまな準備を進めている。 英オートスポーツ誌によると、キャデラックは先週のイタリアGPの開催中にシミュレーションを実施した。
米国と英国から集められた50名のスタッフが参加し、チーム全体のパフォーマンス、ピットストップ戦略、グランプリ週末におけるドライバーの活動などを検証した。さらに、ドライバーのメディア対応もシミュレーションし、レース週末におけるチームへの関与時間を確保できるかどうかを確認した。グランプリ週末では木曜から日曜にかけて複数回のメディア対応が義務付けられており、記者会見やメディア取材などでドライバーが重要な時間を失うこともある。そのため、キャデラックがこれをシミュレーションに取り入れたことは、F1参戦への強いコミットメントを示すものだ。同チームはすでに2026年シーズンのドライバーとしてセルジオ・ペレスとバルテリ・ボッタスの起用を発表している。ボッタスは現在メルセデスのリザーブドライバーを務めており、ペレスは今年はレースに参戦していない。この経験豊富なコンビがもたらす力はキャデラックにとって重要であり、両者の過去の実績がポイント獲得の後押しになる可能性がある。また、インディカーのコルトン・ハータをリザーブドライバーとして起用しており、彼は来年F2に参戦し、スーパーライセンスに必要なポイント獲得を目指す。メキシコ出身のペレスは、レッドブルでの苦い終わり方を経てF1復帰を楽しみにしている。ペレスは2021年から2024年までレッドブルに在籍し、シーズン終盤まで高い競争力を示したが、フェルスタッペンに迫るパフォーマンスを発揮できず、チームは選手権で3位に転落。結果的に、シーズン中盤に延長契約を結んでいたにもかかわらず、2024年末でレッドブルと袂を分かった。ペレスは復帰に際し「証明すべきことは何もない」と語り、楽しむことを第一の目的としている。「僕には何も証明すべきことはないと思う」とペレスはPlanetF1に語った。「彼ら(レッドブル)が獲得したポイントはシーズンを通してわずか5点のようなものだ。だからその点で証明することはない。僕にとっては、このスポーツを楽しむための復帰なんだ。僕が愛し、僕に多くを与えてくれたこのスポーツを楽しみたい。あのような形でF1を去るわけにはいかなかった」チームメイトとなるボッタスも今年はシートを持たなかった。彼は2024年にザウバーで走ったが、チームはニコ・ヒュルケンベルグと新人ガブリエル・ボルトレトを起用することを選択。両者は新しいマシンで再び戦い、チームに最大限の成果をもたらすことを目指す。
全文を読む