2026年にF1参戦を予定しているキャデラック新チームの候補ドライバーとして、ミック・シューマッハの名前が本格的に挙がっている。2022年限りでハースのF1シートを喪失して以来、シューマッハは復帰の可能性を否定せずにきた。昨年末にはメルセデスのリザーブドライバーとしての役割も終え、現在はアルピーヌからWEC(世界耐久選手権)にフル参戦中だ。
しかしここにきてF1パドックへの姿を再び見せており、先週のオーストリアGPに続き、今週のF1イギリスGPでもシルバーストンのパドックに姿を現した。今回は新たなアドバイザーであり、著名なレーサーでもあるダーク・ミューラーと共に行動している。そして同じく現地に姿を見せているのが、2026年のF1参戦を控えるキャデラックの首脳陣――CEOのダン・トウリスとチーム代表のグレアム・ロードンだ。ドライバー選定に「動きが近い」ロードンはSky Deutschlandのインタビューで「今週末は多くのドライバーと話をしている」と明かした。「F1に新チームが加わる機会はそう多くない。すべてがゼロからの出発で、最大の挑戦はチームを構築することだ。現在、メルボルン(2026年開幕戦)に向けて必要な人員の3分の2は確保できていて、マシンも予定通り進んでいる」ドライバーの去就については多くを語らなかったが、「ファンの皆さんには、まずはマシンに集中させてほしい。クルマがなければドライバーもいない」と理解を求めつつ、「今は優秀なドライバーが多く市場にいる。ドライバー市場にも近く動きがあるだろう」と含みを持たせた。ミックを高評価「リストに載っている」キャデラックはすでにバルテリ・ボッタスやセルジオ・ペレスら複数のドライバーとも関係が取り沙汰されているが、ロードンはシューマッハについても明言した。「ミックは素晴らしい。とても良いやつだし、私は彼のことがすごく気に入っている。若いながらF1経験があり、少し前のことではあるが、常に最新情報に触れている。テストにも参加していて、我々のプロジェクトに大きな関心を持っている。それが我々にとっても非常に魅力的だ」さらに「彼はすでにチームにとって見知らぬ存在ではない。マイアミでのローンチイベントにも参加していたし、我々がどこまで来ているのかをよく理解している」と語った。「ミックについて言えるのはポジティブなことばかりだ。彼は確かに我々の候補リストに載っている。もっとも、そのリストはなかなか長いが」と笑顔で付け加えた。本人も「目標はF1」ミック・シューマッハ本人もシルバーストンでの取材に対し、「今週末は何件か話をしている」と明かしたうえで、「F1に関してはまだ具体的なニュースはないが、それが今も最大の目標だ。そこに向けて取り組んでいる」と語った。2026年、キャデラックがF1に参戦するタイミングは、再起を目指すシューマッハにとって千載一遇のチャンスかもしれない。今後の動向から目が離せない。