F1ファンが密かに、しかし確かに期待を寄せていたキャデラックのF1マシン。その“お披露目”が、2025年マイアミGPの華やかなイベントで行われた。が、いざフタを開けてみれば……これは“リビール”というより、“ティーザー”の延長戦といった印象が正直なところだ。場所は、アメリカ・マイアミ。まさにキャデラックの参戦を祝うにはうってつけの舞台。豪華ゲストが集い、MCにはあのテリー・クルーズ。演出も照明も演出もばっちりだった。
だが、肝心の中身はというと、ほんの一瞬チラリと映るマシンのリバリーと、チームカラーらしき“インペリアルブルー×ホワイト”のイメージスケッチ。それに加えて、レーシングスーツの袖元が少しだけ……そんな具合だ。「ついに来たか!」と身を乗り出したファンにとっては、期待に胸を膨らませたその分、肩透かし感は否めなかっただろう。もちろん、キャデラックのF1参戦が長い交渉の末にようやく正式承認に至ったことは大きなニュースだ。アンドレッティ・グローバルとの提携、FIAとFOMの審査、パワーユニットにフェラーリを選択……ひとつひとつの決断の重みは決して小さくない。GMのマーク・ルイス社長も、「F1という世界的な舞台でGMの技術力を見せられることに興奮している」と力を込めた。キャデラックF1チームのロゴがお披露目された。だが、ファンにとってそれはもう知っている情報。むしろこのイベントでは“新しい何か”を、できれば“全体像”を見せてほしかった。特に近年のF1では、新規参戦やカラーリング発表の場はファンとの結びつきを強める大事な機会になっているだけに、今回の“もったいぶり”にはやや拍子抜けの印象が残る。とはいえ、2026年のグリッドに名を連ねる新興勢力として、キャデラックがどのようなパフォーマンスを見せてくるのか――その期待は変わらない。次こそは“チラ見せ”ではなく、“本物”を。そして、目で見て心躍るようなマシンの姿を届けてほしい。 この投稿をInstagramで見る Cadillac F1(@cadillacf1)がシェアした投稿
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