2025年F1イギリスGPを前にした木曜恒例のドライバーズプレスカンファレンスの「PART ONE」には、地元イギリス出身のランド・ノリス(マクラーレン)、アレックス・アルボン(ウィリアムズ)、オリバー・ベアマン(ハース)の3人が登壇。ホームレースならではの特別な感情やスケジュールへの対応、そしてそれぞれの現在のパフォーマンスに対する手応えについて語った。
Q:ランド、まずはあなたから。ホームレースですね。専用のグランドスタンドもありますし、先週末は優勝も飾りました。今週末に向けての期待感を聞かせてください。ランド・ノリス:とても楽しみだよ。毎日が待ち遠しい。もちろん、走ることが一番楽しみだけど、すでに今朝いくつかのイベントはこなしたし、昨日はトラファルガー広場にも行った。今朝はグランドスタンドにも寄ったし、僕にとっては楽しいことばかり。いい気分転換にもなるし、すごくポジティブな意味でね。もちろんオーストリアでの勝利もいい気分のままだし、準備は万端だ。Q:これまでシルバーストンでは2位、3位、4位、5位、6位ときていて、優勝はまだありません。日曜日にそれが実現すれば、キャリア最大の瞬間になりますか?ノリス:そうだね。モナコを上回るとは言いにくいけど、モナコの前にも言ったんだ。もしどこか1つのレースで勝てるなら、モナコの代わりにでもシルバーストンを選ぶって。それが目標だよ。もちろん実現するまでにやるべきことはたくさんあるけど、モナコは特別な場所だし、理由は全然違う。モナコは歴史があるし、過去に勝った人たちの意味合いがある。一方で、シルバーストンは僕のホームレースだし、イギリスのファンや「ランド」ファンがいる。だから理由は違うけど、モナコよりも大きな笑顔になれるレースだと思う。子どものころからF1を見始めたときから、ずっと勝ちたいと思ってきた場所だから。Q:アレックス、今度はあなたです。ランドは昨日トラファルガー広場にいましたが、あなたはダウニング街10番地に行っていましたね。その経験はどうでしたか?F1が政府の中心にあることについてどう感じましたか?アレックス・アルボン:素晴らしかったよ。初めて行った。ランドは行ったことある?ないよね。オリーも一緒だった。外から見るより中は広くて驚いた。それくらいかな(笑)。Q:最近のパフォーマンスについてお聞きします。ここ数戦はウィリアムズとしてもフラストレーションの溜まる結果が続いていますね。今のチームの雰囲気は?今週末に向けての自信は?アルボン:まずはなぜあれだけ多くのDNF(リタイア)が続いたのかを理解する必要がある。それが繰り返し起きている。原因究明のためのテストもいくつか用意していて、自分たちのアプローチも変えながら取り組んでいるけど、まだ完全に解決はできていない。だからまずは日曜にちゃんと完走できることを願ってる。ファクトリーでもこの2日間で相当作業を進めてきたし、どこを重点的に改善すべきかも見えてきた。あとはFP1で進展が見られることを期待してる。Q:オリー、今度はあなたです。初めてのF1イギリスGP。ちょうど12カ月前にハースとの契約が発表されましたね。興奮してますか?オリバー・ベアマン:「興奮してる」って言葉じゃ足りないくらいだね。ちょうど1年前にF1に乗るって発表されたのはすごく特別な瞬間だった。今回こうしてフルタイムドライバーとして戻ってこれたのは信じられない気分だし、F1ドライバーとしてここでレースができるのは本当に楽しみだ。Q:今週末はアップグレードも投入されていますが、パフォーマンス面で何を期待していますか?ベアマン:そう、今週はアップグレードが入っていて、正しい方向に進めそうな感じがある。これまでの弱点は予選で、レースペースはむしろ良かった。ここ2戦も予選の結果以上に決勝ではP10やP11と善戦できた。だからこのアップグレードが予選や高速域でのパフォーマンスを改善してくれることを期待してる。ほんの数コンマ秒で順位が変わるからね。記者からの質疑応答Q:F1世界選手権が始まったこの国に生まれた3人として、しかもF1が今まさに世界で最も注目を集めている中で、50万人以上の観客が集まるこのグランプリの中心にいることについて、今どんな気持ちですか?こういう立場に自分がいることを、ふとしたときに実感することはありますか?ノリス:子どものころ、テレビでF1を見ていたときには考えもしなかったことだよね。でも、満員のグランドスタンドやファンを見たときに、その実感が湧いてくる。もし観客がいないレースを見ていたら、きっとそこまでワクワクしなかったと思う。だから、ここに来て、自分の名前を呼ばれたり、自分のTシャツや帽子を身に着けた人たちを見たりするのは、実際に体験してみないとわからない感覚なんだ。ホームレースが特別な理由はそこにある。トラック自体もすごく楽しいけど、やっぱりファンの存在が最高なんだ。僕らにとっては、他のどんな場面よりもサポートや愛情を感じられる瞬間だしね。僕にとっては、今回が7回目のシルバーストンでのグランプリだけど、毎年その感覚は大きくなってきていて、ファンの数も増えている。ついに自分の名前のついたグランドスタンドまで持てるようになったことは、本当に信じられない気持ちだよ。自分を応援してくれる人たちがたくさんいるという事実は、本当に特別なものなんだ。そして今、F1は世界中で最も人気のあるスポーツの一つだし、その人気はさらに広がっている。実際にここに来る人だけじゃなく、家でテレビを観ている人もたくさんいるし、そういう人たちが僕らを応援してくれている。サッカーやテニス、ゴルフを観るときと同じように、自国の選手に声援を送る感覚ってあるよね。その中心に今、自分たちがいるっていうのはすごく不思議な感覚だけど、だからこそ誇らしく思うし、嬉しくなる。だから、僕にとっては、年間で最もワクワクして、楽しくて、記憶に残る週末のひとつなんだ。アルボン:僕もランドと同じような気持ちだよ。F1の世界ってすごく速いペースで進んでいくから、自分がどこから来て、今どこにいるのかを振り返る時間ってなかなかないんだよね。僕が初めてF1を観に行ったのはシルバーストンだった。父が連れて行ってくれて、そのときに聞いたエンジン音に圧倒されたのを今でも覚えてる。あの音は本当に衝撃的だったし、ある意味ちょっと怖かったんだ。「自分がこれに乗るなんて無理だな」って子どもながらに思ってた。でも、それが夢になって、...
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