昨年のサンパウロGPで多くのドライバーが不満を訴えたインテルラゴス・サーキットの路面が、2025年のレースを前に再び改修を受けた。昨年優勝したマックス・フェルスタッペンは、雨に見舞われた決勝中に「一部は依然として非常に悪い」と無線で訴えており、オフラインに出てタイヤを冷やすことをためらうほどのバンピーな路面状況だったと明かしていた。
それを受け、運営側はF1の再訪前にさらなる舗装工事を実施。FIAによると、ピットを過ぎた後の加速区間(ターン12のジュンカオから1コーナーまで)と、セナS(ターン3)出口からバックストレートのデシーダ・ド・ラーゴまでの区間に新しいアスファルトが敷設されたという。さらに排水性の改善を目的に、雨水が溜まりやすい部分に新たな排水溝(グルーブ)が切り込まれた。対象は、ターン2のセナS中央部、ピット出口からデシーダ・ド・ラーゴにかけての区間、さらにその後の直線、ジュンカオへの進入手前、そしてグリッド21番からスタートラインまでの範囲に及ぶ。ウィリアムズのアレクサンダー・アルボンは、この改修が改善につながっていることを期待していると語った。「雨のときは“川”がたくさんできる」とアルボンは説明する。「去年は本当にバンピーだった。今回の再舗装でどれくらい改善されたのか興味があるよ。あと、このターマック(舗装材)はちょっと独特なんだ。」また、ピット出口右側とコース端の間にあったハッチング(斜線エリア)は撤去された。一方で、DRSゾーンについては昨年からの変更はないとFIAは確認している。再舗装の狙いと今週末への影響今回の改修は、ドライバーの安全性と競技性を両立させるための緊急措置といえる。特に、雨天時に発生する“川”や“バンプ”の問題はインテルラゴス特有で、スプリント週末という短い走行時間の中ではセッティングの難易度を高める要因にもなる。ただし、全体が完全に再舗装されたわけではなく、一部区間では依然として旧アスファルトが残る。これにより、タイヤのグリップ変化や温度管理に敏感な挙動が出る可能性もあり、路面の一貫性がどの程度保たれているかが注目される。金曜のプラクティスからドライバーたちがどんなフィードバックを示すかが、週末の展開を占う重要なポイントになりそうだ。