元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、F1ロシアGPのレース前にバルテリ・ボッタスはマックス・フェルスタッペンの術中に嵌められ、抜かれやすいように“洗脳”されていたと考えている。マックス・フェルスタッペンは、前戦F1イタリアGPでのルイス・ハミルトンとの接触で3グリッド降格ペナルティを科せられていたこともあり、レッドブル・ホンダは新品エンジンを投入してエンジンペナルティを受けるグランプリに選択。最後尾からレースをスタートすることになった。
一方、ライバルであるメルセデスはバルテリ・ボッタスのエンジンを交換して、17番グリッドに降格。ルイス・ハミルトンを支援するためにマックス・フェルスタッペンを抑える“戦略的”なグリッド降格だとの噂も立った。しかし、マックス・フェルスタッペンはわずか6周でバルテリ・ボッタスを攻略し、多くの人々がその展開に驚いた。元F1ドライバーのデビッド・クルサードは「ソチのバルテリは私を驚かせた」と Servus TV に語った。「通常、彼はロシアで速いが、その面影すら見られなかった」「彼とセルジオ・ペレスは、チャンピオンシップの結果に実際に影響を与えないということなんだと思う」元F1ワールドチャンピオンのデイモン・ヒルも「我々はレースでバルテリがレッドブルに対するメルセデスの戦いをもう少し防御することを期待していたが、彼はただ手を振っただけのようだった」とボッタスを酷評。「おそらく彼はまったく悩まそうとしてなかった。彼がレースをしていたようには見えない。まるでマックスへの贈り物のようだった」しかし、同じく元F1ドライバーであり、レジェンドのゲルハルト・ベルガーは、マックス・フェルスタッペンがバルテリ・ボッタスをあっさりの抜いてしまった背景には戦略以外にさらに多くのことがあり、重要な要素はレース前にあったと考えている。ゲルハルト・ベルガーは、レース前にマックス・フェルスタッペンとバルテリ・ボッタスが会話をしていて点に着目。この会話が、マックス・フェルスタッペンを抑えるためのエンジン交換だと疑いを抱くバルテリ・ボッタスにフェアな戦いを促したと考えている。「決意と集中力によって、マックスは頭の中で完全に整頓できているように思う。彼は何をすべきか正確に知っている」とゲルハルト・ベルガーはコメント。ゲルハルト・ベルガーは、マックス・フェルスタッペンの策略を1990年から1992年までマクラーレンでチームメイトだったアイルトン・セナが展開していた“洗脳”戦術に例えた。「チャンピオンたちの常套手段だ。セナは毎レース前にグリッド上のドライバーのところに行き、自分のレースプランを彼らに話していた。それは常にうまくいっていた」とゲルハルト・ベルガーは語った。幸運なことに、6番手まで順位を上げたマックス・フェルスタッペンが、フェルナンド・アロンソを攻めあぐねていた終了間際にサーキットには強い雨が降り、インターミディエイトタイヤへの交換がフィールドをシャッフル。適切なタイミングでタイヤ交換を行ったマックス・フェルスタッペンは、ルイス・ハミルトンに次ぐ2位でフィニッシュ。ルイス・ハミルトンは、残り7レースで2ポイントのリードでチャンピオンシップの首位に返り咲いたが、勝ったハミルトンでさえ、マックス・フェルスタッペンは“メガダメージリミテーション”だと表現した。ゲルハルト・ベルガーは、チャンピオンシップの大部分をリードしながらも、不運なリタイアに見舞われていたマックス・フェルスタッペンにまだ勢いが残っていると考えている。「マックスはやると思う」とゲルハルト・ベルガーは語った。「彼はついにメルセデスと同等のマシンを手に入れた。彼は素晴らしい仕事をしている」「ソチでの2位は、彼が最後尾からスタートしなければならなかったことを考えると、ダメージリミテーション以上のものだった。メルセデスにはペナルティーキックが与えられたが、マックスはそれをセーブしたと言える」