BMWがF1から撤退することで、BMWザウバーF1チームとしての歴史は今年で幕を閉じる。2005年末にBMWがザウバーを買収してBMWザウバーF1チームとなって以来、チームは着実に力をつけ、優勝1回、ポールポジション1回、16回の表彰台を獲得。70戦に出走し、合計で308ポイントを獲得した。BMWザウバーの歴代F1マシンを中心に4年間の歴史を振り返る。
BMWザウバー F1.06 (2006年) BMWザウバーの初マシンであるF1.06。前年マシンであるザウバーC24の流れを引き継ぎながらも、燃料タンクやエンジンなどをより低い位置に設置し低重心化。フランスGPでは、コックピット前方に2本の垂直ウィングを装着したが、次戦から前方視界の確保を理由に禁止となった。ドライバーは、ニック・ハイドフェルド(カーナンバー16)とジャック・ヴィルヌーヴ(カーナンバー17)。第12戦ドイツGPでジャック・ヴィルヌーヴが離脱し、第13戦ハンガリーGPからはサードドライバーのロバート・クビサがレースドライバーに昇格した。36ポイントを獲得し、コンストラクターズ5位。BMWザウバー F1.07 (2007年) ニック・ハイドフェルド(カーナンバー9)、ロバート・クビサ(カーナンバー10)で挑んだ2年目。F1.07は序盤から安定したパフォーマンスをみせ、合計で101ポイントを獲得。マクラーレンがポイント剥奪となったためコンストラクターズ2位。カナダGPでは、ロバート・クビサが大クラッシュ。しかし、クビサは足を捻挫しただけの軽症で済み、F1マシンの安全性の高さを証明する事故となった。次戦アメリカGPではセバスチャン・ベッテルが出走。8位入賞し、F1.07のポテンシャルの高さを示した。BMWザウバー F1.08 (2008年) F1.08は基本的にF1.07の正常進化版。ハイドフェルドは全戦完走、クビサもマシントラブルによるリタイアはなく、信頼性の高いマシンだった。オフシーズンテストでは速さがなかったF1.08だが、さまざまな空力付加物が追加され、シーズンではトップ3のパフォーマンスを発揮。第7戦カナダGPではロバート・クビサがチーム初優勝。ニック・ハイドフェルドも2位に入り1-2フィニッシュを達成。11回の表彰台を含め、合計136ポイントを獲得し、コンストラクターズ3位。ドライバーズ選手権ではクビサが4位、ハイドフェルドが6位。BMWザウバー F1.09 (2009年) レギュレーションが大幅に変更となったこの年、BMWザウバーはどこよりも早く2009年マシンのテストを開始するが、KERS搭載、またダブルディフューザー非搭載のディスアドバンテージもありF1.09は序盤から大苦戦。バーレーンGPではKERS搭載をやめ、スペインGPからはBスペックともいえる大幅なアップグレードを投入。シーズン後半には表彰台を獲得するも、36ポイントに終わりコンストラクターズ6位でシーズンを終えた。関連:ザウバー 歴代F1マシン
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