前日のスプリント予選でオスカー・ピアストリがトラックレコードを更新しポールポジションを獲得した展開から一転、本日のスプリントレースではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が優勝し、スプリントで通算12勝目を挙げた。2位と3位にはマクラーレン勢が続き、ピアストリとランド・ノリスがその順でフィニッシュした。しかし、ノリスはその後のグランプリ予選でリベンジを果たし、ピアストリを僅か0.085秒差で抑えてポールポジションを獲得。ピアストリは再び2番手となった。
なお、ノリスの記録した1分40秒562は前日のピアストリのトラックレコードから0.052秒遅れていたが、ポール争いでは十分な速さだった。予選2列目にはシャルル・ルクレール(1分40秒900)と、その0.003秒後方にマックス・フェルスタッペンが並ぶ。この結果、ノリスにとってはキャリア通算13回目、今季5回目のポールポジション。マクラーレンとしてはベルギーGPで通算12回目のポールであり、最後にこの地で先頭グリッドに立ったのは2012年、ジェンソン・バトンによるものだった。また、ノリスにはFIA世界ラリー選手権王者ティエリー・ヌービルからピレリ・ポールポジション・アワードが授与された。ヌービルは昨年の日本ラウンドでピレリタイヤを装着したヒュンダイでタイトルを決め、WRC通算175戦に出場し、21勝・72回の表彰台を記録している。サタデー・トラックレビュースプリントレースではフランコ・コラピントを除く全ドライバーがミディアムタイヤ(C3)を選択。C3勢のうち8名が新品を、11名が予選で使用した中古を使用した。タイヤのデグラデーション(摩耗)は予想通りだったが、極端ではなく、グレイニング(表面のささくれ現象)も見られなかった。C4タイヤを使用したコラピントも、比較的安定したスティントを消化しており、C3との性能差はそれほど顕著ではなかった。予選では全ドライバーがソフト(C4)を使用、こちらもコラピントのみQ1の最初のアタックでミディアムを選択。Q1では12名のドライバーが中古のC4を使用した。マリオ・イゾラ(ピレリ・モータースポーツディレクター)のコメント「スプリント週末ではいつも通り、非常に慌ただしい土曜日だった。今日の短距離レースでは、多くのドライバーが使用したミディアムタイヤについて非常に有益な情報が得られた。もちろんスパはタイヤに厳しいトラックだが、それでもデグラデーションは決して極端なものではなく、フリー走行で予想していた通りグレイニングも発生しなかった」「戦略については、まず天気予報を見なければならない。現時点ではかなりの確率で雨が予想されており、あらゆる意味で仮定のシナリオが多くなる。仮にドライレースとなり、路面温度が今日や昨日よりも低ければ、ソフトとミディアムが最も競争力のある選択肢になる。1ストップと2ストップの差もそれほど大きくないため、ソフトとミディアムの組み合わせはどちらも有効だ」「今回非常に硬いハードを持ち込んだのは間違いだったというわけではない。もし昨年と同じタイヤ構成を持ち込んでいれば、1ストップが明らかに速かっただろう。また、今日のF1、F2、F3すべてのスプリントレースで見られたように、DRSがあるにもかかわらずトレイン状態が発生していたことからも分かる通り、このコースではオーバーテイクは簡単ではない。つまり、スタートと特に第1セクターの攻防が鍵を握り、スリップストリームの効果も大きな意味を持つ」「仮にドライでスタートし、途中で雨が降るような展開になれば、ミディアムタイヤが最も柔軟な戦略に対応できるため有利になるだろう。レインタイヤへの交換タイミングを見極める上でも、スティントを引き延ばせる構成が重要になる」