2025年F1第13戦ベルギーGPに先立ち、スパ・フランコルシャンのパドックで木曜恒例のドライバー記者会見「パート1」が行われた。登壇したのは、前戦イギリスGPで悲願の初表彰台を獲得したニコ・ヒュルケンベルグ(キック・ザウバー)、デビュー6戦を終えたフランコ・コラピント(アルピーヌ)、そして後半戦の巻き返しを狙うフェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)の3名。
会見では、それぞれが直近のレースや今季の流れ、週末の天候やスプリント形式への対応、さらに2026年の新レギュレーションに向けた意識など、多岐にわたるテーマについて語った。経験豊富なベテラン2人とF1ルーキーのコラピントが、互いの立場から見た現在のF1や将来への展望を語り合う、見ごたえあるセッションとなった。Q:ニコ、まずはあなたから。記憶に残るシルバーストンでの表彰台から約2週間が経ちました。この間はどのように過ごしましたか?ニコ・ヒュルケンベルグ: いやあ、意外といい時間を過ごせたよ。グランプリがすぐに続かなかったから、その瞬間をじっくり味わうことができた。タイミング的には最高だった。あのレースは本当に信じられないような展開だったし、非常にトリッキーなコンディションの中で、僕たちはすべての判断を正しく下して、最後尾から自分たちを報いたんだ。それはクレイジーで特別なことだった。レース後もすごかったよ。反響がすごくて、700件以上のメッセージが届いた。全部返すのに1週間かかったけど、素晴らしくてありがたい経験だったね。Q:レース後すぐにヒンウィルに戻ったそうですね。工場ではどんな歓迎を受けましたか?ヒュルケンベルグ: 温かく迎えてもらったよ。当然だけど、みんなすごく喜んでいた。現場だけじゃなくて、工場で働くみんなともこの瞬間を分かち合うのは大事なことだと思った。素晴らしい記憶と感情が詰まった時間だったし、残りのシーズンを戦ううえで、いいブーストになってくれると思う。Q:ここ4戦でチームはレッドブルよりも多くのポイントを獲得しています。バーレーンでのプレシーズンテスト時点から見て、今の状況はどのくらい期待を上回っていますか?ヒュルケンベルグ: 最近は間違いなく良い流れに乗れているよ。ただ、シルバーストンは特殊なレースだった。あの日の土曜には2台ともQ1で敗退して、正直良い週末には見えなかったし、もしドライだったら全く違う展開になっていたと思う。だからそのことも忘れちゃいけない。でもバルセロナ以降、勢いをつけられたのは確かだ。特に日曜のロングランでの改善が大きかった。今はいいレースカーがあるし、予選順位が完璧でなくても戦える。今季の最大の進歩だと思う。ただ、まだまだやることは多いし、中団グループの争いは非常に激しい。Q:フランコ、シルバーストン以降の短い休みの間に、これまでの6戦を振り返る時間は取れましたか?どんな結論に至りましたか?フランコ・コラピント: ああ、良かったよ。リセットするのにちょうどいいタイミングだったし、ファクトリーに戻ってエンジニアたちと一緒に作業したり、何を改善すべきかを見直したりした。少しのブレイクにもなったしね。スパに向けて準備はできてるよ。Q:データを見て、自分のパフォーマンスで今後もっと伸ばせそうな領域はどこですか?コラピント: サーキットによって違うけど、ロングランは最近かなり良くなってきてる。一方で燃料が少ない状態でのパフォーマンス、特にニュータイヤでのアタックがまだ弱いことが多い。特に高速コーナーで時々クルマへの信頼感が足りない。でも全体的には良くなってきてると思う。シルバーストンはスタートとしては良かったし、もちろん結果は望んだ通りにはならなかったけど、いい進歩ができたと思う。Q:今週末のスパでの目標は?コラピント: チャンスを最大限活かすことかな。スプリントレースがあるし、天気もかなり怪しいから、クルマの持ってるパフォーマンスを最大限引き出して、天候をうまく読んで対応したい。Q:フェルナンド、序盤は厳しいシーズンでしたが、今は4戦連続でポイントを獲得しています。今のクルマである程度の勢いは感じていますか?フェルナンド・アロンソ: そうだね。特にシルバーストンで導入したアップグレードパッケージから、Q3やポイント圏のぎりぎりのラインに立てるようになってきている。だからこの流れを維持していきたいと思っているよ。Q:今週末も新しいパーツがありますが、それにどんな期待をしていますか?アロンソ: まず第一に、そのパーツが本当に性能を向上させるかを理解することが最優先だ。スプリント週末ではフリー走行が1回しかないから、それを評価するのは難しいかもしれない。天候もそれを妨げる可能性があるしね。だから今回の優先事項は、パーツの性能を理解すること。そして、もし可能であれば再びポイントを狙いたい。ただ、新パーツの理解が今週末の最大の課題であり、最優先事項になる。記者からの質問Q:フェルナンド、ここからシーズン後半が始まりますが、今年前半のチームのパフォーマンスを見たうえで、2026年の新レギュレーションへの移行期となる後半戦の目標は何でしょうか?アロンソ: 実際、エンジニアやデザインチームだけでなく、僕らドライバーの頭の中も含めて、80%くらいはもう2026年に向いてると思う。たぶんマクラーレンの2人以外は、みんなちょっと将来のことを考えたり、来年いいシーズンになったらなって夢見てたりする。今年の後半はそんなに大きな変化はないと思うからね。ただ、中団はすごく接戦だし、そこは面白くなるかもしれない。コンストラクターズ選手権で5位、6位、7位、8位、9位あたりをめぐる争いにはなりそうだ。だから、そのなかで学び続けて、チームとベストな形で仕事を続けていきたい。ポイントは2〜3戦に1回くらい取れればいい。そんな感じ。Q:ニコ、まずはシルバーストン、おめでとうございました。さて、率直に聞きますが、もう表彰台は無理だと思ってましたか?それとも意識の外に置いていた感じでしょうか? そしてもう1つ、ジョナサン・ウィートリーがチーム代表になってしばらく経ちますが、彼の就任以降どんな変化があったでしょうか?ヒュルケンベルグ: 表彰台の件は、正直なところ、特別意識してたわけじゃない。ドライバーとして毎回ベストな結果を目指して走ってるし、夢としてはもちろんあるけど、それをコントロールできるとは限らない。だからあまり気にしてなかったよ。自分に自信はあるし、このプロジェクトやチャ...
全文を読む