2024年F1ベルギーGPで優勝したジョージ・ラッセルは、レース後の燃料抜き取り検査でメルセデスのF1マシンが規定重量を下回っていたことが判明し、失格の危機に直面している。戦略を1ストップに変更したジョージ・ラッセルは、猛追するルイス・ハミルトンを最後まで抑えてトップの座を守り、自身3回目のF1勝利を手にした。
しかし、FIA(国際自動車連盟)によるレース後の検査で、車両重量が798kgの制限値に達するまで燃料が抜かれていなかったことが判明。燃料を抜いた後の車両重量は796.5kgだった。FIA技術代表の報告書には、「レース後、63号車の重量を計測したところ、798.0kgであり、TR第4.1条で定められた最低重量を満たしていた」と記された。「その後、燃料が車両から抜き取られ、2.8リットルの燃料が除去された。TR第6.5.2条が満たされているため、チームが提出した合法性書類に記載されている燃料抜き取り手順に従って、燃料は完全に抜き取られていなかった」「車両はFIAの内側と外側の重量計で再度計量され、、重量は796.5kgであった。外側と内側の重量計の較正は競技者によって確認され、立会人もいた」「これは、競技会中常に遵守されなければならないTR第4.1条で要求される最低重量よりも1.5kgも低い。この件については、スチュワードに検討を委ねる」メルセデスが、ラッセルのマシンと最低重量の1.5kgの差異を説明できない場合、ラッセルの勝利が取り消される可能性が高い。FIAの協議規定第35.3条には「第35.1条または第35.2条に従って重量を計測した際に、テクニカルレギュレーション第4.1条で規定された重量を下回る場合、コンポーネントの偶発的な損失による重量不足を除き、該当する車両は失格となる」と記載されている。その場合、ルイス・ハミルトンがオスカー・ピアストリを破って優勝し、シャルル・ルクレールが3位に浮上することになる。メルセデスの歴史上、重量制限を下回ったために失格となったのは今回が初めてではないが、現時点ではチームがF1関係者を故意に欺いたとは見なされていない。BARは、秘密の二次燃料タンクがバラストとして使用されていたため、ジェンソン・バトンと佐藤琢磨の両車が燃料を完全に抜いた状態で重量不足であることが判明し、サンマリノグランプリの結果を取り消された。ティレルは、レース中ずっと水と鉛弾の混合物を水噴射システムに補充していたことが発覚し、体重不足の012の最低重量制限である540kgを超えていたため、1984年の成績を抹消された。