米国とイスラエルによるイラン空爆を発端とした中東情勢の緊迫化を受け、2026年F1カレンダーのバーレーンGPとサウジアラビアGPが中止に向かう可能性が高まっている。しかし、誰が正式に中止を決断するのかを巡る“財政的な駆け引き”が、公式発表を遅らせている状況だ。現地ではすでにミサイルやドローン攻撃が発生しており、F1関係者の宿泊先として使われるホテルも被害を受けたと報じられている。チームの機材輸送にも影響が出ており、3月20日が最終判断の期限になるとみられている。
イランによるミサイルとドローン攻撃は、バーレーンの住宅建物やF1チームが利用するクラウンプラザ・マナマのホテル、さらに油田や海水淡水化施設を直撃し、複数の負傷者が出たと報じられている。バーレーン・インターナショナル・サーキットは首都マナマからわずか30kmの距離に位置しており、安全面への懸念が急速に高まっている。判断の最終期限は日本GP後の輸送計画が決まる3月20日とされている。チームは2月のプレシーズンテスト後、サクヒールにフルセットのガレージ設備を残しており、さらに別の機材はすでにジェッダに輸送用として梱包された状態にあるが、現在はすべて動かせない状況にある。中止を決断するのは誰か 40億円規模の負担問題ドイツ紙の報道によれば、4月12日に予定されているバーレーンGPの中止はほぼ確実とみられている。ただし最大の問題は「誰が中止を決断するのか」という点だ。もし地元の主催者が大会を中止した場合、約4000万ドルの損失を負担する可能性がある。一方、F1側が中止を決定すれば、バーレーンは年間約4500万ドルとされる開催権料の支払い義務から解放される。そのため両者は現在、損失を分担する形での財政的妥協点を探っていると報じられている。ドイツ紙は次のように伝えている。「最大の問題は、誰がグランプリ中止を決断するのかという点だ」「報道によれば、双方は現在損失を分担するための財政的な妥協を交渉している」さらにバーレーンGPが開催されなければ、機材をサウジアラビアへ時間内に輸送することは事実上不可能とされている。FIAは沈黙 カレンダー変更も議論FIAとF1は現時点でレースの状況について公式コメントを出しておらず、協議が続いているとみられる。また、もしレースが中止となった場合、マイアミGPが第6戦として扱われるのかどうかも議論となっている。これはレギュレーション上、6戦目の時点で下位チームにパワーユニット開発の追加権利が与えられる仕組みがあるためだ。FIAの技術責任者ニコラス・トンバジスは、この問題についての質問には回答を拒否したと報じられている。サウジGPは開催強行を主張一方、4月19日に予定されているサウジアラビアGPは依然としてカレンダー上に残っており、現地側は開催を強く主張している。サウジのコメンテーターであるイブラヒムはSNSで次のように投稿した。「レースは予定通り開催される。西側メディアが主張するような中止はない」しかし報道によれば、サウジ側が参加者向けの専用チャーター機の提供や防空システムの安全性を強調しているものの、F1側の意思決定者を納得させるには十分ではない可能性が高いという。富士スピードウェイ代替案も浮上両レースが中止となった場合の代替開催地として、日本の富士スピードウェイの名前も挙がっている。報道によれば、トヨタがレース開催の費用負担を検討しているという。ただしF1のテレビ契約では最低22戦の開催が義務とされており、当初の24戦カレンダーには余裕がある。そのため両レースが消滅した場合でも、代替レースは行われない可能性が高いとみられている。フェルスタッペンは“別レース参戦”に含み上海でこの状況について質問されたマックス・フェルスタッペンは、サウジGP週末に行われるニュルブルクリンクNLS予選への参加可能性について問われると次のように語った。「もしカレンダーに何か変更があれば、何が可能かは見てみるつもりだ」カレンダーの空白が現実となれば、F1のシーズン構成だけでなくドライバーの活動にも影響が広がる可能性がある。