2025年F1アゼルバイジャンGPの予選は、2度目の関門Q2でも赤旗と戦略判断が入り乱れる混乱の展開となった。ここで姿を消したのはフェルナンド・アロンソ(11番手)、ルイス・ハミルトン(12番手)、ガブリエル・ボルトレト(13番手)、ランス・ストロール(14番手)、オリー・ベアマン(15番手)の5台。中でもハミルトンとアロンソという経験豊富なベテランがここで足止めとなったことは、多くのファンを驚かせた。
セッションは開始直後から波乱含み。ハースのベアマンがターン2の立ち上がりでわずかにウォールへ接触し、右後輪を破損して赤旗が提示された。「愚かだった」と無線で悔やんだ通り、マシンは修復できずQ2で脱落。残り時間が11分以上残る中での赤旗は、他チームの戦略にも大きく影響した。再開後、フェラーリは分かれた戦略を選択。シャルル・ルクレールはミディアム、カルロス・サインツは同じくミディアムでの走行を開始したが、ルクレールはターンでオーバーシュートしてランオフに逃れるミスを犯し、その直後に続いていたハミルトンのアタックも黄旗により阻まれた。わずか十数秒の出来事が、両者の予選を大きく狂わせた。タイムが出揃うと、ランド・ノリスが1分41秒396でトップ、ジョージ・ラッセルがわずか0.059秒差で続き、マクラーレンとメルセデスが好調をアピール。オスカー・ピアストリも僅差でチームメイトの背後につけ、キミ・アントネッリも安定した走りで上位に食い込んだ。一方で、アロンソとハミルトンはともにソフトタイヤで挑んだものの、最後のアタックは不発。特にハミルトンは残り時間を読み誤り、チェッカーフラッグ前に再アタックに入れず12番手で終了した。アロンソも最終盤にタイムを伸ばせず、0.1秒にも満たない僅差でQ3進出を逃した。その裏で、角田裕毅(レッドブル)はプレッシャーのかかる終盤にしっかりタイムを改善し、10番手に滑り込みQ3進出を確保。黄旗や赤旗で流れが途切れる難しいセッションでも冷静に対応し、勝負どころで踏ん張りを見せた。Q2を終えて、ノリスとピアストリによるマクラーレン勢の速さが際立つ一方で、ベテラン勢が軒並み脱落するという予想外の展開に。決勝を見据える上でも、この波乱がレース戦略やグリッドポジションに大きな影響を与えることは間違いない。■ F1 アゼルバイジャンGP 予選Q2 結果・ラップタイム1.マックス・フェルスタッペン(レッドブル) - 1分41秒2552.ランド・ノリス(マクラーレン) - 1分41秒3963.オスカー・ピアストリ(マクラーレン) - 1分41秒4144.ジョージ・ラッセル(メルセデス) - 1分41秒4555.アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス) - 1分41秒4646.シャルル・ルクレール(フェラーリ) - 1分41秒5197.リアム・ローソン(レーシングブルズ) - 1分41秒5378.アイザック・ハジャー(レーシングブルズ) - 1分41秒6479.カルロス・サインツJr.(ウィリアムズ) - 1分41秒67510.角田裕毅(レッドブル) - 1分41秒78811.フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) - 1分41秒85712.ルイス・ハミルトン(フェラーリ) - 1分42秒18313.ガブリエル・ボルトレト(ザウバー) - 1分42秒27714.ランス・ストロール(アストンマーティン) - 1分43秒06115.オリバー・ベアマン(ハース) - No Time16.フランコ・コラピント(アルピーヌ)17.ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)18.エステバン・オコン(ハース)19.ピエール・ガスリー(アルピーヌ)20.アレクサンダー・アルボン(ウィリアムズ)