2026年F1シーズンの開幕戦となるオーストラリアGP予選は、アルバート・パークで劇的な展開となった。メルセデスのジョージ・ラッセルが圧倒的な速さでポールポジションを獲得し、チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリとともにフロントロウを独占。一方でレッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンがQ1でクラッシュして敗退する波乱も起きた。新レギュレーション時代の最初の予選は、赤旗、トラブル、そしてルーキーの躍進が入り混じる激しいセッションとなった。
メルセデスが圧倒的なパフォーマンスを見せる一方、フェラーリやマクラーレン、そしてレッドブル勢がその背後で争う構図が浮き彫りとなった。ここではQ1からQ3までの重要局面を振り返る。Q1:フェルスタッペンがクラッシュ 波乱の幕開け予選最初のセッションからアルバート・パークは騒然となった。最も大きな出来事はマックス・フェルスタッペンのクラッシュだ。最初のアタックラップでコーナー進入時にマシンのリアが突然滑り、フェルスタッペンはグラベルを越えてバリアへヒット。赤旗が掲示され、レッドブルのエースはまさかのQ1敗退となった。「リアがロックした」と無線で語ったフェルスタッペンは無事に自力でマシンを降りたが、この事故によりレッドブルは序盤から苦しい展開となった。その混乱の中でもメルセデスのジョージ・ラッセルは圧倒的な速さを見せ、フィールドに約0.6秒差をつけてトップタイムを記録。シーズン前から有力視されていたメルセデスの速さを証明した。一方でフェラーリはミディアムタイヤという戦略を採用し、決勝を見据えた走りを見せた。■Q1敗退17位 フェルナンド・アロンソ18位 セルジオ・ペレス19位 バルテリ・ボッタス20位 マックス・フェルスタッペン21位 カルロス・サインツJr.22位 ランス・ストロールQ2:フェラーリが苦戦 中団は接戦続くQ2ではトップチームの力関係がより明確になった。ジョージ・ラッセルが再びトップタイムを記録し、メルセデスが完全に主導権を握る展開となる。チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも上位に入り、メルセデスの2台が揃って速さを見せた。マクラーレンのオスカー・ピアストリは2番手に入り、母国レースで存在感を示したが、ラッセルとの差は6コンマ以上。マクラーレン自身が語っていた「半歩遅れている」という評価を裏付ける結果となった。フェラーリは週末を通して速さを見せていたが、ソフトタイヤでのパフォーマンスが伸びず、特にルイス・ハミルトンは苦しいセッションとなった。中団ではレーシングブルズのルーキー、アービッド・リンドブラッドが印象的な走りを見せ、Q3進出を決めた。■Q2敗退11位 ニコ・ヒュルケンベルグ12位 オリバー・ベアマン13位 エステバン・オコン14位 ピエール・ガスリー15位 アレクサンダー・アルボン16位 フランコ・コラピントQ3:メルセデス圧倒 ラッセルがポール最終セッションQ3はトラブルとドラマに満ちた展開となった。序盤にはアントネッリのマシンに冷却ファンが装着されたままピットから送り出されるというトラブルが発生。落下した部品をランド・ノリスが踏んでしまい、赤旗が提示された。セッション再開後、まず暫定トップに立ったのはアントネッリ。若きイタリア人が圧巻のラップを決めたが、その直後にジョージ・ラッセルがさらに0.3秒上回るラップを叩き出す。最後のアタックでも誰もラッセルのタイムを更新できず、メルセデスはフロントロウ独占を達成した。レッドブルのアイザック・ハジャーはデビュー戦で見事3番手を獲得。フェラーリのシャルル・ルクレールが4番手、母国の期待を背負うオスカー・ピアストリが5番手に続いた。■トップ101位 ジョージ・ラッセル(メルセデス)2位 アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)3位 アイザック・ハジャー(レッドブル・レーシング)4位 シャルル・ルクレール(フェラーリ)5位 オスカー・ピアストリ(マクラーレン)6位 ランド・ノリス(マクラーレン)7位 ルイス・ハミルトン(フェラーリ)8位 リアム・ローソン(レーシングブルズ)9位 アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)10位 ガブリエル・ボルトレト(アウディ)メルセデスが新時代の主役にこの予選で最も印象的だったのはメルセデスの圧倒的なパフォーマンスだ。フロントロウ独占に加え、ライバルに約0.8秒差をつけるラップタイムは新レギュレーション初戦としては驚異的だった。フェラーリはレースペースに自信を見せており、決勝ではスタートや戦略で逆転の可能性を狙う。一方、マクラーレンは自ら認めていた通り、現時点ではトップ2チームの背後に位置していることが明確になった。そしてレッドブルはフェルスタッペンのクラッシュという予想外の事態に見舞われたが、アイザック・ハジャーが3番手を獲得する大健闘を見せた。新時代の勢力図が初めて明確になった2026年F1開幕予選。決勝ではメルセデスがその優位性を守り切るのか、それともフェラーリやマクラーレンが逆転劇を演じるのか、注目が集まる。