アウディは、富士スピードウェイで開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)の第7戦で、アウディは2位と3位に入り、揃って表彰台を獲得した。ゼッケン1号車のAudi R18 e-tron quattroにペナルティが科されたため、わずかな差で優勝には届かなかった。6時間レースの中盤まで、アウディは優勝したトヨタのマシンとスリリングなバトルを展開した。レース序盤、1号車のR18 e-tron quattroを駆るアンドレ・ロッテラーは、アレックス ブルツのドライブするトヨタのマシンに終始肉薄。ブノワ・トレルイエにドライバー交代した後も激しい戦いを続け...
しかし、レース中盤を少し過ぎた頃、コース上でGTクラスのマシンと接触。このアクシデントによるダメージで、フロントフードを交換するためにピットインを余儀なくされた。この作業によって、ルーティンのピットストップ時間よりも、さらに24秒タイムロスする結果となった。レース主催者は、このアクシデントの責任はアウディ側にあるとして、ストップ&ゴーペナルティを科したため、1号車は3位に後退。しかし、ロッテラーは、その後の猛追によってレース終了の2時間前に2位に返り咲いた。ゴールの瞬間、トップのトヨタとの差はわずか11.2秒だった。この結果によって、ルマンを制したマルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組が、チャンピオンシップにおける2位とのポイント差を3ポイント広げて、16.5ポイントとした。一方、ゼッケン2号車のアラン・マクニッシュ / トム・クリステンセン組は、Audi R18 e-tron quattroのハンドリングの悪化に苦しんだ。4時間が終了した頃、LMP2プロトタイプのマシンが2号車に接触。このアクシデントによって、R18のフロントに装着されたさまざまなエアロダイナミクスコンポーネントに損傷を負った。しかし、チームはフロントフードを交換しないことを決断。これによって、より多くの貴重な時間をセーブ。その結果、このスコットランド人とデンマーク人のコンビは、最終的に3位でチェッカーを受けることになった。アウディは、非常に素晴らしいレースパフォーマンスを発揮しながらも、ペナルティによってシーズン6勝目を逃す結果となった。アウディ チームは、2週間後に行なわれる上海での最終戦に向けて、すでに気持ちを切り替えている。8月の時点でマニュファクチャラーズタイトルを早々に決めたアウディだが、ドライバーズタイトルの争いは最終戦に持ち越されることになった。ドライバーズタイトルの行方がマルセル・ファスラー / アンドレ・ロッテラー / ブノワ・トレルイエ組に決まるにせよ、あるいはアラン・マクニッシュ / トム・クリステンセン組が逆転するにせよ、アウディは、初開催されたFIA世界耐久選手権(WEC)シリーズのプロトタイプクラスでタイトルを獲得することになる。Dr. ヴォルフガング・ウルリッヒ(アウディモータースポーツ代表)「今日は、非常に良いレース展開でした。ゼッケン1号車の修理やストップ&ゴー ペナルティを受けてもなお、トップとの差はわずか11秒でした。これは、基本的なパフォーマンスがいかに優れていたかを証明するものです。私たちは勝利に向けて果敢に戦い、あと一歩のところまで来ましたが、残念ながらすべて順調という訳にはいきませんでした。トヨタはこのサーキットでとても強く、ホームレースを制しました。心から祝福したいと思います。」ラルフ ユットナー(アウディスポーツ チームヨーストのテクニカルディレクター) 「サーキットに詰めかけた大観衆の皆様は、日本で開催され、接戦となった6時間耐久レースを十分に堪能していただけたと思います。ホームレースで勝利したトヨタを祝福します。アウディのマシンの良好な燃費は、非常に有利であることが分かっていましたので、私たちは戦略通りにレースを進めました。不運なことに、ブノワ・トレルイエが、ラップ中にGTクラスのマシンと接触してしまいました。その結果、フロントフードの修理とペナルティによるタイムロスが重くのしかかりました。しかし、その後のイエローフラッグは、私たちに有利に働きました。チームの全員は、非常に良い仕事をしたと思います。一部のスタッフは、マシンの修理や、レース当日に最高のパフォーマンスを発揮できるように、徹夜で作業を続けていました。」マルセル・ファスラー(Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)「私たちは、優勝してもおかしくありませんでした。しかし、レースにはアクシデントがつきものです。ドライブスルーペナルティは、少し厳しいのではないかと思っています。レースは、非常にスリリングな展開となりました。レース終盤に向けて戦略を変えたため、私は1回しかドライブしませんでした。そのため、アンドレは、2回のスティントを1セットのタイヤで走り切り、タイヤ交換をしなかったのです。」アンドレ・ロッテラー(Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)「私たちは、素晴らしいレースを展開して、勝利を疑いませんでした。チームとメカニック全員は、最高の仕事をしてくれました。残念ながら、ペナルティによって勝利を逃してしまったことが心残りです。私は、自分の第2のホームグラウンドである日本でレースをすることができて、非常に幸せでした。しかし、どのチームも常に勝ち続けることはできないのです。2位という結果を受け入れなければなりません。2週間後の中国で、タイトルを決めたいと思います。」ブノワ・トレルイエ(Audi R18 e-tron quattroゼッケン1号車)「トヨタの前でゴールして勝利することが目標でしたが、結果として、それ程悪いレースではなかったと思っています。私たちは、ある程度のリスクを覚悟して、スタート直後から勝負に出るしかありませんでした。しかし、残念ながらレース中に事故を起こしてしまいました。わずか11秒の差で勝利に届かなかったことが残念です。しかし、ドライバーズポイントではトップを守り、さらにリードを広げました。」トム・クリステンセン(Audi R18 e-tron quattroゼッケン2号車)「レース前のマシンの状態が非常に良かったので、今日の結果は本当に残念です。優勝争いをするはずだったのですが、コース上でラバーを拾ってしまい、大きくタイムロスしてしまいました。さらに残念なことに、アランがアクシデントに巻き込まれて、フロントフードにダメージを負ってしまいました。そのため、レースの終盤では、終始オーバーステアに悩まされました。大変な1日でした。中国では、素晴らしいフィナーレを迎えたいと思います。」アラン・マクニッシュ(Audi R18 e-tron quattroゼッケン2号車)「非常に困難なレースでした。良いスタートを切ることができて、序盤は良いペースで走行し...
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