アストンマーティンF1を巡り、中国メーカーのBYDが将来的なF1参入の足がかりとして買収を検討しているとの報道が浮上した。ホンダとの新たな提携で2026年F1新時代の躍進が期待されたアストンマーティンだが、現状は厳しい。マシンは後方に沈み、レース距離を走り切ることさえ難しい状況にあると伝えられている。
現在のアストンマーティンは、ホンダ製パワーユニットに起因するとされる振動に苦しんでいる。報道では、その振動がフェルナンド・アロンソやランス・ストロールに強い痛みを与え、グランプリを最後まで戦い抜くことを困難にしているという。アロンソ自身も、中国GPで手の感覚を失ったと語り、その結果としてリタイアを選んだとされる。こうした状況を受け、チームの将来を巡る憶測が強まりつつある。BYDがF1参入の道を探る候補に独『アウト・モトール・ウント・シュポルト』によると、中国ブランドのBYDがF1参入に関心を示しており、その方法として既存チームの買収が選択肢になっているという。同誌は、BYDが2025年に460万台を販売したメーカーであり、F1グリッドの12番目の枠を活用することで、自社製品への関心をさらに高める可能性があると伝えている。ただし、新規チームを一から立ち上げることは極めて難しい。キャデラックも直面しているように、F1参入には多くの障壁があるため、BYDは既存チームの取得に目を向けているとされる。候補として挙がったのはアルピーヌとアストンマーティン報道では、買収候補としてアルピーヌとアストンマーティンの2チームが挙げられている。そのうちアストンマーティンについて、同誌は「テストとメルボルンでの失態の後、オーナーのローレンス・ストロールはまもなく限界点に達する可能性がある」と伝えた。もっとも、この買収シナリオは現実味に欠けるとも見られている。記事では、ローレンス・ストロールがアストンマーティンのF1計画に多額の投資を続けてきたことに加え、ホンダが関わっている現体制が、そう簡単に解消されるとは考えにくいと指摘している。ホンダの将来まで含めた見方も同誌は、たとえ現在の苦戦が続いているとしても、ホンダが提携初年度でただちに計画を打ち切ることはないだろうとみている。さらに、将来的にはホンダ自身がチームを引き継ぐ可能性にまで言及しており、2005年末にBARを引き継いだケースになぞらえている。現時点ではあくまで憶測の域を出ないものの、アストンマーティンF1の深刻な不振が、新たなメーカー参入の思惑と結び付けられていることは確かだ。2026年F1シーズン序盤の混乱が、チームの将来像にまで波及し始めている。