アストンマーティンは2026年F1シーズン開幕から厳しい状況が続いているが、中国GPを前にマイク・クラックがホンダ製パワーユニットのバッテリー問題を巡る懸念を強くけん制した。チームはオーストラリアGPでダブルリタイアを喫したものの、現時点での最重要課題は信頼性向上だと明言している。シルバーストンを拠点とするアストンマーティンは、バルセロナでのシェイクダウン週への到着遅れ、バーレーンでの走行制限、そしてオーストラリアでのダブルリタイアと、新時代最初の数週間で苦戦が続いた。
それでもチームは、バーレーンからメルボルンにかけて明確な改善を進めており、中国GPではその前進をさらに確かなものにしたい考えだ。アストンマーティンとホンダの首脳陣は、上海で現在の課題と次の一手について説明した。クラック「バッテリーの本数を議論しても意味はない」マイク・クラックは、ホンダのバッテリー保有数や不足状況を巡る議論をこれ以上続けるべきではないと語った。「バッテリーの本数について話し続けて、いったい何の意味があるのかと思う」「メルボルンで状況は明らかにされたし、このバッテリー本数の議論を続けるべきではないと思う」先週は、エイドリアン・ニューウェイがホンダのパワーユニット振動によってフェルナンド・アロンソとランス・ストロールが恒久的な神経損傷の危険にさらされていると明かしたことで、大きな注目が集まった。ただしメルボルンでは、両車とも決勝グリッドに並ぶところまでこぎ着けており、バーレーンからオーストラリアにかけて改善が進んでいたことも示された。事前にダブルリタイアを織り込んでいたのではないかといううわさも出ていたが、実際にはアロンソとストロールは健康面の懸念とは別の車両トラブルでリタイアしている。折原「修理を続けていて、いい進展も見えてきています」ホンダ・レーシングのトラックサイド・ゼネラルマネージャーを務める折原慎太郎は、バッテリーの詳細な保有数こそ明かさなかったものの、修理作業には進展があると説明した。「正確な本数は言えませんが、スペアを増やすためにバッテリーの修理を続けています」と折原慎太郎はコメント。「詳細は申し上げられませんが、修理に関してはいい進展も見えてきています。引き続き一生懸命、バッテリーの修理を進めています」「このバッテリーの問題は振動そのものに起因するものではなく、バッテリー内部の小さな部分に関わるものです」「前戦では、まずバッテリーの振動を減らすことに集中していました。そのため、車体側の振動対策までは入れられていませんでした。そこが次のステップです」「ただ、振動がどこから来ているのかは、引き続き理解を進めているところです」折原慎太郎の説明からは、ホンダ側が振動対策とバッテリー修理を切り分けながら問題解決を進めていることが分かる。前戦ではまずバッテリー保護を優先し、次の段階として車体全体の振動対策に着手する構えだ。クラック「パフォーマンス向上の前提は信頼性だ」クラックは、チームが1週間前より良い位置にいると強調しつつ、当面の最優先事項は信頼性の確保だと述べた。「我々は1週間前より良い位置にいると思う」「折原さんが言ったように、我々の仕事は学習を続けること、そして信頼性向上のために作業を続けることだ。なぜなら、パフォーマンスを改善する唯一の方法は、信頼性のあるマシンを手にすることだからだ」「それが今の最優先目標でなければならない」アストンマーティンは、バーレーンからメルボルンにかけて着実に改善してきたことを示している。一方で、クラックの言う通り、実戦で走らせながら学ぶことが改善の前提になるのであれば、本格的な巻き返しにはなお時間が必要になる可能性もある。中国GPは、その“学習”をさらに前へ進められるかどうかを占う週末になりそうだ。