アストンマーティンF1チームはすでに、2023年のチャレンジャーから2024年のF1マシンの設計へと焦点を移しており、特に空力効率の改善に重点を置いている。今季のアストンマーティンは開幕8戦中6戦で表彰台を獲得するなど、目覚ましい活躍を見せている。これにより、2022年のコンストラクターズ選手権では7位だったチームは、今季は4位につけている。
そして、2024年F1マシン『AMR24』は今季をバネにさらなる飛躍をめざし、チームとして改善すべき点を洗い出している。アストンマーティンF1チームのパフォーマンスディレクターのトム・マッカローによれば、弱点として知られる直線性能もそのひとつだという。「フェルナンド(アロンソ)はマシンの効率について触れていた」とマッカローは語った。「今年の初めに我々は直線で間違いなく遅いクルマの1台だったエリアだ」「我々はベース車両と(モンツァに持ち込んだ)リアウイング・レベルでそれに取り組んだ」「改善の余地があるエリアであり、来年に向けてさらに取り組む必要があるエリアだ」イタリアGP予選でアロンソは最高時速346.5km/hの11番手にとどまり、フェラーリエンジンを搭載したハースのケビン・マグヌッセンに5km/h以上の差をつけられた。また、アストンマーティンと同じメルセデスエンジンを搭載するウィリアムズのアレックス・アルボンよりも2.5km/h遅かった。不思議なことに、ファクトリーのメルセデスは両方ともそのテーブルの底におり、ルイス・ハミルトンは340.6km/h、ジョージ・ラッセルは338.6km/hだった。レースで優勝したマックス・フェルスタッペンの予選最高速度は344km/h、カルロス・サインツは350.8km/hでポールポジションを獲得した。アストンマーティンにとってトップスピードは懸念事項かもしれないが、アロンソが9位、ランス・ストロールが18位だったモンツァでのパフォーマンスを説明する唯一の理由ではないことを示唆している。その理由のひとつは、アストンマーティンがソフトコンパウンドタイヤの性能を最大限に引き出せなかったことだが、イタリアGPの会場では、トップスピードはもはやラップタイムに直結しないことも示唆している。「高速で速く走るためには、グリップが限られたコーナーが非常に重要だ。2つ目のレスモ、アスカリ、パラボリカなど、ほぼすべてのコーナーの後には非常に長いストレートがあるからだ」とチームが強いられる妥協についてマッカローは語った。「つまり、コーナーを通過するスピードと、レースでの安定性やストレートスピードは常にトレードオフの関係にある」「この世代のクルマや他のクルマの特性によって、リアウイングのフィロソフィーに若干の違いが生じていると思うが、ほぼ予想通りだった」にもかかわらず、アストンマーティンは2024年のマシンであるAMR24を開発するにあたり、この分野に注目している。「今のクルマでは、リアウイングだけでなく、クルマの主要アーキテクチャー全体が我々が取り組んでいるエリアだ」とマッカローは説明する。「多くの要素がマシンの空力効率に影響し、これからシーズン終了まで、ほとんどのトラックは空力効率の高いトラックではない」「我々の焦点は、AMR24の開発において、できる限り効率的に、そして今年のマシンよりも効率的に開発することだ」
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