メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、F1サンパウロGPで自身最高位となる2位を獲得した。19歳のルーキーはレース中盤に起きたオスカー・ピアストリとシャルル・ルクレールの接触に巻き込まれながらも、幸運にもダメージを最小限に抑え、今季2度目の表彰台を手にした。週末を通じて好調を維持したアントネッリは、スプリントと決勝の両方でランド・ノリスと最前列を分け合ったが、レースでは序盤のセーフティカーリスタート直後に危うい場面を迎えた。
ピアストリがターン1のイン側から仕掛け、ルクレールがアウト側に並ぶ3ワイドの展開となった瞬間、マクラーレン勢がブレーキングでロックアップ。ピアストリがメルセデスに接触し、跳ね飛ばされたアントネッリのマシンがルクレールに当たり、フェラーリはタイヤを失って即リタイアとなった。ピアストリには10秒ペナルティが科せられたが、アントネッリは幸運にも走行を続けることができた。「リスタートは良くなかった。少しアクセルを踏みすぎてホイールスピンしてしまい、1コーナーに向かうまでに勢いを失った」とアントネッリは説明した。「3ワイドになって、正直オスカーは完全には並んでいなかった。彼がイン側、シャルルがアウト側にいて、僕は両方にスペースを与えようとしたけど、オスカーがロックアップして僕にぶつかってきた。そこからシャルルに当たってしまったんだ」「彼がリタイアしてしまったのは残念だったけど、僕としてはとても運が良かった。車が大きく壊れなかったのは幸運だった。挙動は少しおかしかったけど、集中を切らさずに走り続けて2位でフィニッシュできた」フェルスタッペンとの激しい終盤バトルクラッシュを免れたアントネッリはその後も安定した走りを見せたが、終盤にはピットレーンスタートから驚異の追い上げを見せたマックス・フェルスタッペンに猛追され、最後の数周は激しい防衛戦を強いられた。フィニッシュラインではわずか0.362秒差で逃げ切り、2位を守りきった。「正直、どこから彼が現れたのか分からなかった!」とアントネッリは笑った。「最後のラップは本当にストレスだった。マックスは新しいタイヤで来ていたからね。僕たちはクリーンエアの状態でまずまずのペースを維持できていたけど、彼が近づいてきたときにはペースを上げてプッシュした」「このマシンでは汚れた空気の中で追うのが難しいから、その特性をうまく使って防いだ。結果的にうまくいったと思う」「これまでのなかで最も完成度の高い週末だったと思う。ようやくすべてが噛み合ってきた。チームとしても結果を最大化できたし、コンストラクターズでも良いポイントを稼げた。これを続けていきたい」ルーキーの成熟と冷静さインテルラゴスでのアントネッリは、予選・決勝を通じて終始冷静で、自身初の2位表彰台にふさわしい走りを披露した。ピアストリとの接触では不運にも巻き込まれたが、トラブル後も落ち着いてレースを立て直し、終盤のフェルスタッペンとの攻防ではルーキーらしからぬ成熟した判断を見せた。また、今季2度目の表彰台はメルセデスにとっても大きな前進を意味し、チームの開発方向性と若手育成の成果を裏付ける結果となった。今後のレースでも、アントネッリがこの安定感と冷静さを維持できるかが注目される。
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