F1マイアミGPのスプリントで思わぬ不運に見舞われたメルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリは、日曜の決勝での巻き返しに全力を注ぐ構えだ。金曜のスプリント予選で自身初のポールポジションを獲得したアントネッリは、土曜のスプリントでスタート直後にマクラーレンのオスカー・ピアストリと接近戦を展開し、ターン1でワイドに膨らんで4番手までポジションを落とした。
事態はさらに悪化し、乾きつつある路面への対応としてピットインした際、レッドブルがマックス・フェルスタッペンをアントネッリの進路に危険なタイミングで送り出したことで、アントネッリはピットに入れずにコースをもう一周せざるを得なかった。このタイムロスにより、フィニッシュ時点ではポイント圏外に沈んだが、レース後の他車へのペナルティにより7位に繰り上がり、2ポイントを獲得した。予選では、アントネッリが再び存在感を示した。ポールポジションは逃したものの、首位フェルスタッペンとの差はわずか0.067秒。ピアストリにもコンマ0.002秒及ばず、惜しくも3番手に留まったが、ルーキーとして堂々たる走りを見せた。「今日はいい形で立て直すことができた」とアントネッリは語る。「セッション中は少し苦労した。雨でラバーが流されて路面が昨日とまったく違っていたので、適応に時間がかかった。でも、最後のアタックはうまくまとめられたので満足している」「ターン1ではちょっと欲を出しすぎて軽くロックアップしてしまったが、それでも後半はしっかりと持ち直せた。明日の決勝が楽しみだ」決勝に向けては、マクラーレンの強さを認めつつも、チャンスを狙っている。「マクラーレンは本当に速いと思う。少しペースに差があるかもしれないが、マックスやマクラーレンと戦えることを願っている。何が起きても対応できるように準備しておくつもりだ」アントネッリの予選ラップタイムはノリスよりわずか0.002秒遅かった。今回のマイアミGPでは、アントネッリがチームメイトのジョージ・ラッセルを予選で初めて上回った。ラッセルは週末を通してマシンのフィーリングに苦しみ、予選では5番手にとどまった。「今週末は自分でもよくわからない状態が続いている」とラッセルは述べた。「FP1ではマシンの感触が良かったのに、スプリント予選も今日の予選も、まったくフィーリングが掴めなかった」「正直、いい状態ではなかったが、それでもP5なら受け入れられる。もっと下位に沈んでいてもおかしくなかった。明日は流れが変わってくれることを期待している。長いレースになるし、天気も不安定だから波乱があるかもしれない。今日のように展開次第でどう転ぶかわからない」マイアミGP決勝は現地日曜に開催される。アントネッリは3番手グリッドから、自身初の表彰台を視野に入れて臨む。