アルピーヌF1チームの元代表であるブルーノ・ファミン氏は、F1の財務規則がルノーをエンジン生産から撤退させ、カスタマーチームになることを後押ししたと述べた。ブルーノ・ファミンは、アルピーヌのF1チームのチーム代表を8月末で退任し、ヴィリー・シャティヨンにあるルノーのF1パワーユニット生産施設の大きな転換期に専念する。
アルピーヌF1チームは自社製パワーユニットの生産中止を計画しており、メルセデスとの技術提携を模索し、F1にカスタマーチームとして参入しようとしている。F1のポッドキャストBeyond the Gridでファミンは、OEMではなくカスタマーチームになることの経済的なメリットが、この変更の主な要因であると説明した。「ビジネスモデルと呼ぶには、少し奇妙なものであるのは事実だ」とファミンは語った。「コンコルド協定により、チームのみに利益をもたらす賞金基金のシステムがある一方で、FIAには財務規則とスポーツ規則があり、PUメーカーが希望するチームに上限価格でパワーユニットを販売することを義務付けている」現状では、F1は開発凍結の真っ只中にあり、2021年以降は現在のパワーユニットが有効となるが、2026年の新しいパワーユニットの開発はすでに本格的に進められており、1億3000万ドル(約190億円)の予算上限でコストが管理されている。しかし、他メーカーからパワーユニットを購入する費用は約2000万ドル(約29億円)であり、アルピーヌF1チームはライバルのOEMメーカーに比べて「15キロワット」劣っているため、F1レースへの参戦方法を変更する費用対効果をファミンは嘆いている。ブルーノ・ファミンは8月末にアルピーヌF1チーム代表を退任する。「PUを購入する場合と比較して、PU開発にかかる(研究開発)コストを見れば、その差は非常に大きい」「その大きな差は、賞金では補えない。なぜなら、賞金はすべてチームに入るからだ。そうなると、パフォーマンスの話ではなく、お金の大きな差の話になる」「その違いに秘密などない。なぜなら、それは公式に公表されているからだ」「コスト上限、PUメーカーに認められた金額、PU供給価格、そしてPUメーカーがPUを販売しなければならない価格も公表されている。『片手に1億2000万ユーロ、もう片手に17』といったところだ」F1事業で削減した資金は、アルピーヌのロードカーブランドの開発に活用される。ファミンはベルギーGPの金曜日に行われた記者会見でメディアに対し、「アルピーヌブランドは発展しており、ハイエンド技術を搭載した7つの新型モデルを今後数年間で投入するという、非常に大きな開発プロジェクトがある」と語った。「今週初めにヴィリー・シャティヨンのスタッフ代表に提示されたプロジェクトは、リソースを一方から他方に再配分するというもので、一方はヴィリーで製造されているF1パワーユニットの開発であり、リソースとスキルをブランドの新しいテクノロジー、ブランドの新製品の開発に専念させるというものである」「そして、このプロジェクトが承認された場合の帰結の一つは、アルピーヌF1チームが独自のパワーユニットを開発する代わりに、パワーユニットを購入することになるだろう」