アルファタウリ・ホンダF1のテクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、ピエール・ガスリーが好パフォーアンスを発揮できている要因として、AT01がリアに重点を置いていることと、ガスリーのドライビングスタイルがマッチしていることを挙げた。昨年、レッドブル・レーシング RB15を乗りこなすことができず、シーズン途中にトロロッソに出戻ったピエール・ガスリーは、そこで再び自信を取り戻し、F1ブラジルGPで初表彰台となる2位を獲得。
そして、今季はアルファタウリ・ホンダに名前を変えたチームでF1イタリアGPで初勝利を挙げるなど、2020年シーズンで最も印象的な走りをみせているドライバーのひとりとなっている。ピエール・ガスリーが昨年レッドブル・レーシングで苦戦を強いられたのは、マックス・フェルスタッペンに合わせて開発されたフロント重視のマシンにあった。マックス・フェルスタッペンはフロントを軸にしたドライビングスタイルで、リアが不安定でも抜群のセンスでマシンを振り回すことができるため、それに合わせてマシンが開発されている。だが、ピエール・ガスリーはリアを軸にしたドライビングスタイルであり、RB15のリアのトラクションに不満を述べていた。それは今季苦戦を強いられているアレクサンダー・アルボンにも当てはまる。アルボンもリアが不安定なRB16を乗りこなすことができていない。レッドブル・ホンダF1のチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、レッドブル・レーシングのマシンはアルファタウリ・ホンダよりも運転が難しいと認める。「このマシンはアルファタウリよりも運転が難しいマシンだと思う。それは非常に明確だということを我々は知っている」とクリスチャン・ホーナーはコメント。「マシンははるかにリアセンシティブだと思うし、それはドライバーにとって不安になる可能性があると思う。マックスはそれを信じられないほどうまく処理している。他のドライバーはそれにもっと苦労している。それは事実だと思う」「アレックスがアルファタウリにいたとしたら、彼はおそらく昨年のピエールと非常によく似た仕事をしていたと思う。それは間違いない。それが我々のマシンの特性だ。彼らはコーナーエントリーでコミットするのに苦労している」しかし、アルファタウリ・ホンダの開発方針は異なり、ジョディ・エギントンはリアアスクルに思に焦点を当てていると説明する。「我々はマシンのリアアスクルを安定性させることに懸命に取り組んできた。それによって、ドライバーはプッシュし、自身を得ることができた」とジョディ・エギントンは語る。「マシンには合理的な作動ウインドウがある。ほぼ全てのイベントで我々が重点的に取り組んでいるのはリアアスクルであり、リアアスクルをきちんと働かせることだ」「ピエールは確かにいい走りをしているし、将来に関する外部のあらゆる議論にも関わらず、チームに落ち着くことになった。彼は良いパフォーマンスを発揮しているし、エンジニアといい仕事をしている。彼は本当にやる気があり、彼の周りのスタッフもモチベーションを高めている。彼は全てのイベントで素早くマシンを決めている。それは長く続く可能性がある」トロロッソの名前で14年間レースをしてきたファエンツァを拠点とするチームは、これまでで最高のシーズンを過ごしており、13戦を終えた時点で89ポイントを獲得。2019年全体のポイントよりもすでに4ポイント上回っている。アルファタウリ・ホンダとしての初年度におけるこの成功は、もちろん、ピエール・ガスリーの活躍によるもの。ガスリーはF1イタリアGPで2008年のモンツァでのセバスチャン・ベッテル以来となる2勝目をチームにもたらした。過去6戦で言えば、アルファタウリ・ホンダは、本家レッドブル・ホンダ(68ポイント)を上回る69ポイントを獲得しており、これはメルセデス(198ポイント)、ルノー(76ポイント)に次ぐ3番目に多いポイントとなっている。また、ジョディ・エギントンは、アルファタウリ・ホンダの背景にある要因を次のように説明する。「実際には多くの要因の組み合わせだ」とジョディ・エギントンは語る。「ここまでの2シーズンにおける我々の開発プロセスはある意味でローリング開発だった。ほぼ全てのイベントで何かしらのことを見つけている。大きなアップグレードを投入するイベントもあれば、小さなアップグレードだけのイベントもある。我々はそのプロセスを続けている」「しかし、それに合わせて、我々はすべてのセットアップのためにマシンを最適化している…我々は常にすべてを本当に最適化させるためにマシンに取り組んでいる」「各イベントで、我々はより多くのことを学び、マシンから多くを引き出すことができるようになっている。イモラでは、このようなサーキット、温度、そして、ガレージの両側でマシンを本当にうまく機能させることができた。それは本当に励みになる」
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