アストンマーティンのフェルナンド・アロンソを巡り、中国GPでのリタイアの背景に新たな議論が浮上している。ホンダ製パワーユニット由来とされる激しい振動が原因とされたが、その説明に疑問の声が上がった。元F1ドライバーのデビッド・クルサードは、アロンソの症状について「リタイアするほどではない」と指摘し、むしろホンダへのプレッシャーの一環ではないかとの見方を示した。
アストンマーティンとホンダの関係は、開幕から信頼性問題に揺れている。こうした状況に加え、ジョナサン・ウィートリーの加入報道などチーム内外の動きも重なり、様々な憶測が広がっている。クルサード「振動はリタイア理由にならない」クルサードは、アロンソの中国GPでのリタイアについて懐疑的な見方を示した。「こういう状況でドライバーがやるべきことは、自分の仕事に集中することだ。エンジンを設計しているわけでも、クルマを作っているわけでもない」「彼がクルマの中で何を感じているかは分からないが、映像は見た。僕もタイヤの変形やホイールバランスの脱落による振動を経験してきた」「ステアリングには物理的に振動が伝わるものだ。それでもグランプリでピットインしてやめることはなかった。重要なのはポイントだからだ」さらにクルサードは、建設現場の例を引き合いに出し、次のように語った。「一日中ジャックハンマーを使っている作業員を見たことがあるか? 彼らは『今日は手が痛いから働かない』とは言わない」「だからこれは、ホンダに注目を集め続けるための都合のいい話ではないのかと疑っている。振動はドライバーよりも信頼性の問題だと思う」「ドライバーなら、コンマ1秒のためなら何でもやる。国歌を逆に歌いながらチェーンソーでジャグリングすることだってやるはずだ」ホンダは予算超過も辞さず?クルサードは、問題解決に向けたホンダの対応についても言及した。「彼らは立て直すだろうが、そのためには予算上限を超える必要がある。罰則を受けることになっても、そのエンジンを機能させ、チームにチャンスを与えるためには必要なことだ」また、現在の状況がかつてのマクラーレンとホンダの関係に似ているとも指摘した。「以前にも同じような困難があった。マクラーレンとホンダの関係はうまくいかなかったが、その後レッドブルで成功につながった」アロンソに残された時間クルサードは、アロンソのキャリアについても厳しい見方を示した。「これは彼にとって最後のチャンスだと思う。アストンマーティンでのキャリアが終わった後、フェラーリやレッドブルに行くことはない」「彼は45歳になる。素晴らしいドライバーだし尊敬しているが、キャリアの最後の1年か2年に差し掛かっている」「他チームに移籍するか? 誰が彼を欲しがるのか。そして彼自身もそうは言わないだろう。最終的に勝てるクルマができるまで、今の場所で続けるしかない」