フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、2026年F1プレシーズンテストが行われているバーレーンで、新レギュレーション下のマシン特性について言及した。シャシーおよびパワーユニットの大幅変更により電動比率が高まり、ドライビングはこれまで以上にエネルギー管理が支配的になっていると説明した。とりわけ高速コーナーでは、かつてのように限界まで攻めるのではなく、次のストレートに向けてエネルギーを温存する走りが求められているという。
アロンソはバーレーン・インターナショナル・サーキットのターン12を例に挙げ、その変化を具体的に語った。「ここバーレーンのターン12は歴史的にとても要求の厳しいコーナーだった。だからターン12を全開で通過できるようにダウンフォースレベルを選んでいた。新品タイヤで全開にできるところまでダウンフォースを削り、レースでも同じことを狙った。1周を速く走るうえで決定的だったのはドライバーのスキルだった」「今はターン12を約50km/h遅く走っている。そこでエネルギーを無駄にしたくないし、すべてをストレートに残しておきたいからだ。以前は260km/hだったのが、今は200km/hで走る。あの速度なら誰でも運転できる。チームのシェフだってターン12をあのスピードで走れる。でもエネルギーを浪費したくない。次のストレートのために温存する必要がある」この発言は、マックス・フェルスタッペンが2026年型マシンを「ステロイドを打ったフォーミュラE」と表現したことを受けてのものだった。アロンソはその見解を完全には否定しなかった。「マックスのコメントは理解できる。ドライバーの視点からすれば、コーナーで5km/h速く走って違いを作りたい。しかし今は次のストレートでどれだけエネルギーを持っているかに左右される」「それでもこれはF1だ。常にそうだった。今はエネルギーがテーマだが、2年前に彼がすべてのレースに勝っていたときはダウンフォースだった。彼はコーナーを280km/hで走れたが、僕たちは250km/hしか出せなかった。ダウンフォースがなかったからだ」さらにアロンソは、ドライビングそのものの純粋な感覚という点では、1990年代後半から2000年代初頭の時代が忘れられないと語った。「純粋なドライビングという意味では、90年代後半から2000年代初頭は超えられないと思う。コーナーを速く走り、マシンの限界を見つけることがすべてだった」一方で、どのレギュレーションであっても競争の本質は変わらないとも強調する。「結局のところ、これはF1だ。バイザーを下ろしてコースに出れば、同じモータースポーツだ。ここバーレーンのレンタルカートでも十分に楽しめる。我々は今もモータースポーツを愛しているし、競争を愛している。レギュレーションによってドライビングスキルの影響が少し減っているのは理解しているが、3、4戦すればより明確な答えが出るだろう」2026年F1はアクティブエアロと高い電動比率を特徴とし、コーナリング速度そのものよりも、エネルギー配分と展開タイミングがラップタイムを左右する時代へと移行している。高速コーナーを“あえて遅く走る”という現象は、その象徴と言える。