フェルナンド・アロンソは、現在のアストンマーティンの不振について、かつてのマクラーレン・ホンダでの失敗とは「違う」と語っている。2025年シーズン、アストンマーティンがミッドフィールド後方に沈んでいるにもかかわらず、アロンソは一貫して冷静でリラックスした様子を見せている。
シルバーストーンを拠点とするこのチームは、アロンソが8度の表彰台を獲得しドライバーズ選手権4位に入った2023年の好調ぶりを活かしきれていない。スペイン人ドライバーであるアロンソは、今季ここまでスペインGPと先週末のカナダGPの2戦で表彰台に立ったのみだ。アロンソにとってF1で最も苦しかった時期のひとつが、2015年に復帰したマクラーレンでの4年間だった。この期間で獲得したポイントは、2023年の1年での成績を下回っており、当時はマシンへの不満を公然と示すことも多かった。アロンソはを含むメディアに対し、2019年のル・マン24時間レースでの優勝をはじめとする他カテゴリでの成功が、現在の落ち着いた姿勢につながっていると語った。「そう、違うよ。今はキャリアの違う段階にいるからね」とアロンソ。「たぶん2018年当時は、自分自身を証明する必要があったんだと思う。自分がまだ勝てること、勝利を楽しめること、成功を味わえることを再確認したかったんだ」「ル・マンやデイトナ、いろんなカテゴリーに挑戦して、どこでも競争力があって速さを示せたことで、今は気持ちが落ち着いた。だから数ヶ月、あるいは今回は数年でも待つことができるんだ」アロンソは2015年にマクラーレンに復帰したが、4年間にわたって苦しいシーズンを送った。2026年への信頼が心の支えに43歳となった今も、シーズン前半でのチームの低迷を前にしてもアロンソは動じておらず、アストンマーティン初年度の成功体験も前向きな姿勢の一因になっていると明かした。「2023年は、僕にとってもアストンマーティンに来て成功できたという意味で良いブーストになった。評価もされたしね」「そして今、2026年に新レギュレーションとエイドリアン(ニューウェイ)が加わる中で、今年はある意味『待機期間』のように感じている」「僕らは競争力がないし、多くのポイントは取れない。取れないどころか、まったく取れない可能性もある。でもそれでも、僕らは来年に向けて本気で集中し、やる気に満ちている。これは明らかに当時とは違う感覚だ」アロンソのこうした言葉は、アストンマーティン内部の関係者にとって大きな安心材料になるだろう。なぜなら彼が、旧知のフラビオ・ブリアトーレとの再会を兼ねたアルピーヌ復帰の噂にさらされている中でも、揺るぎない忠誠心を示しているからだ。