元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、もはやフェルナンド・アロンソのことをF1最高のドライバーだと言うことはできなくなったと語る。5年間在籍していたフェラーリに離れ、昨年マクラーレン・ホンダへ移籍したフェルナンド・アロンソは、それまで現在のF1においては最高のドライバーだとの評価を受けていた。
しかし、23年ぶりに復活したマクラーレン・ホンダで、フェルナンド・アロンソはポイントを獲得することにさえ苦労する状況を迎えてしまった。「3年前には、誰もがアロンソが最高だと言っていた」とゲルハルト・ベルガーは語る。「だが、今ではもうそうは言えない」「彼はそれを証明することができずに終わったし、結局、彼がかつてどれほど素晴らしいドライバーであったかということも忘れられてしまった」一方、評価を挙げているのが、セバスチャン・ベッテルだ。2010年から2013年までレッドブルでF1タイトルを4連覇したセバスチャン・ベッテルだが、当時は最高のドライバーと評価する者はそれほど多くはなかった。さらに、2014年は、引退したマーク・ウェバーに代わって新たなチームメートとなったダニエル・リカルドに敗れセバスチャン・ベッテルは、2015年にはフェルナンド・アロンソの後任としてフェラーリのに加入した。フェラーリで素晴らしい活躍を見せたセバスチャン・ベッテルは、メルセデス以外のドライバーで唯一表彰台の真ん中に3度立ってみせた。それもあり、セバスチャン・ベッテルは、かつてフェラーリで5年連続F1タイトルを獲得したミハエル・シューマッハの後継者だとも評価されている。かつてフェラーリでも活躍したことのあるゲルハルト・ベルガーは「まさにその通りだ」と語る。「ベッテルはミハエルと非常によく似た方法論を持っているし、それがフェラーリにはとてもよく合っている」「私もフェラーリにいた頃にそのようなことを経験したが、(ニキ)ラウダやシューマッハ、もしくはベッテルと同じようなことはできなかった」「フェラーリは、うまくそのイタリア人気質をリードしてくれる者がいると非常にうまくやれる」もしそうだとすれば、2010年から5年間在籍するも一度もF1タイトルに手が届かなかったばかりか、チーム内での不和もたびたび指摘されていたフェルナンド・アロンソは、そもそもフェラーリには合わない存在だったのかもしれない。「間違いだったとは言わないよ。だが、正解でもなかった。それは、単に彼の仕事への取り組み方が違うためだ」とゲルハルト・ベルガーは述べた。