F1アブダビGPでのフェルナンド・アロンソとルイス・ハミルトンとのレース終盤の決闘における戦術が明らかになった。ピットストップを終えてトラックに戻ったハミルトンのメルセデスが迫ってくる中、アロンソはターン5ヘアピンへの進入で突然スロットルをオフにした。
ハミルトンはアロンソの行動に不意を突かれたらしく、チーム無線がアロンソに「ブレーキテスト」をしたと報告した。7度のワールドチャンピオンであるハミルトンは、アロンソのドライビングに感心していないと明言した。 「コーナーの300メートルか400メートル手前で時速180マイルで走っているのに、突然、彼は大幅にスピードを落とした」とハミルトンは述べた。このアクシデントはスチュワードによって不安定なドライビングの可能性があると注目されたが、最終的にスチュワードはいかなる措置も取らないことを決定。チェッカーフラッグの後、Sky F1のアンソニー・デビッドソンがこの件を分析し、アロンソの考えを説明する理論を提案した。「解明できた」とデイビッドソンは説明した。「この白いラインに差し掛かったとき、フェルナンドはブレーキングを緩めたんだ。この白いラインが何かわかるかい?DRSの検知ポイントだ」「アロンソは、ルイスあるいはあるいは後ろにいると思った車を抜かせようとしたのだと思う。ルイスだとわかっていたに違いないけどね。アロンソはDRSの検出ポイントまでレースを進め、できればルイスがストレートに出たときにDRSで戦えるようにしたい」アロンソの計画はうまくいかなかったが、ハミルトンは後ろに残り、DRSを使って次のストレートで彼をパスした。しかし、アロンソはお返しをしてポジションを取り戻し、ハミルトンを2つ上回る7位でフィニッシュした。アロンソは、2013年カナダGPでのハミルトンとの同様のバトルに言及し、デビッドソンの理論を裏付けるようだった。 そのレースでは、当時のフェラーリのドライバーだったアロンソは、メルセデスのハミルトンと並んだが、ターン9出口のDRS検出ポイントの直前で車の速度を落とした。これによりアロンソは DRS の恩恵を確実に受け、次のストレートでハミルトンを追い抜いた。 「確か2012年(実際は2013年)のカナダGPでも同じことをやったと思う」とアロンソは振り返った。「そのエピソードから11(10)年後、僕たちはターン5でブレーキングしてDRSを相手に与えようとした。でも、どちらの場合も僕が勝った。だから問題ない」ハミルトンのブレーキテストの主張に対する反応を尋ねられたアロンソは「何もないよ」と答えた。「ルイスはとてもクレバーで、このスポーツをよく理解しているし、経験も豊富だ。でも、僕にはそれ以上のものがある」