アブダビGPを10番手から迎える角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、チームメイトでタイトル争いの中心にいるマックス・フェルスタッペンのために「自分のレースを妥協する覚悟がある」と明言した。フェルスタッペンはポールポジションを獲得した一方、ランキング首位のランド・ノリスとは12ポイント差。フェルスタッペンが優勝した場合、ノリスが4位以下でフィニッシュすれば逆転で5度目の王座が決まる。その状況で角田裕毅は、自身の戦略を犠牲にしてでもチームメイトを支える姿勢を示した。
戦略を“妥協”してでもフェルスタッペンをサポートへ角田裕毅は現地メディアを前に、フェルスタッペンのタイトル獲得に向けて主体的に動く意思を示した。「できる限り彼を助けるつもりだ」と角田裕毅は語った。「僕のポジションや彼の状況を考えると、まだチャンピオンの可能性は残っている。だから、僕の戦略を妥協することになる可能性が高いけれど、できることを全部やる」予選では、Q3の一発目でフェルスタッペンにスリップストリームを与え、ポール獲得に貢献。その後フェルスタッペンは自身でもう1周タイムを伸ばし、結果的に圧巻のPPとなった。旧スペックのフロアで挑んだ予選、綱渡りの“完璧なトウ”角田裕毅はFP3終盤、キミ・アントネッリにピットレーンで衝突され、RB21のフロアが破損。予選は旧スペックに戻して走らざるを得ず、本来のパフォーマンスを発揮できない厳しい状況だった。「アントネッリとの接触で古いフロアに戻す必要があり、予選はかなりパフォーマンスが落ちた」と説明。「Q3に進んでマックスを助けるのが最低限の計画だったけれど、正直この仕様では難しいと思っていた。それでも助けることができて、彼にも少し自信を与えられたと思う」あの完璧な“トウ”には相当なプレッシャーがあったという。「ターン5の位置関係が近すぎても遠すぎても駄目で、本当にストレスが大きかった。でも少なくとも成功させることができた。チームから褒めてもらえたので、素直にそれを受け取るよ」