レッドブル・レーシングのチーム代表ローラン・メキースは、アブダビGP金曜日の会見で2025年シーズンの巻き返し、タイトル決戦への心構え、そして2026年へ向けたドライバー体制について多岐にわたり語った。なかでも大きく扱われたのが、角田裕毅の評価と将来への見解、そしてフェルスタッペンの新しいチームメイトとなるアイザック・ハジャーへの期待だった。
メキースは、今季のレッドブルを象徴する「歴史的な大逆転」がどのようにして実現したのかについても言及し、そこには「2,000人が決して諦めなかった事実」があったと強調した。「ユウキは再びチャンスを得る」 角田裕毅への評価と今後2026年のレースシートから離れることが決まった角田裕毅について、メキースは何度も「難しい決断だった」と口にした。「レッドブルのセカンドシートは簡単ではない。我々はユウキを支えるためにできる限りのことをしてきた。しかし、将来の数年をどう見通すかという点で、難しい判断を下さなければならなかった」それでも、メキースは角田の将来に対して悲観的ではなく、むしろ希望を込めて語った。「彼には再びチャンスがあると思っている。来年はリザーブドライバーだし、レッドブルが迅速にドライバーを昇格させた例は何度もある。彼が2024年末に非常に強かったこともよく覚えている」「誰にでも挫折はある。しかし、ユウキにはまた機会が訪れると信じている」2026年のチームメイト、アイザック・ハジャーへの期待フェルスタッペンの新チームメイトとして2026年に昇格するアイザック・ハジャーについても、メキースは大きな熱量をもって語った。「彼は信じられないシーズンを過ごした。スタート地点からして素晴らしかったし、そこからさらに進化し続けている。3戦前にはできなかったことを、今は自然にこなしている」レッドブルが求めているのは“天性の速さ”だけではない。「これは到達点ではなくスタートだ。2年目、3年目、4年目と、さらに成長し、我々を驚かせ続けると期待している」レッドブルがハジャーに早期の昇格判断を下した背景には、「伸び続けるドライバーであること」が明確に存在している。「世界はさらに凄いマックスを発見した」 今年のフェルスタッペン像今季のフェルスタッペンについて問われると、メキースは即座に「世界はさらに異次元のマックスを知ることになった」と語った。「今年、世界は“さらに extraordinary なマックス”を発見したと思う。4度目のタイトル獲得後にもかかわらず、ここまでの巻き返しを引っ張ってきた。リラックスしながら、正しい精神でこの挑戦に向き合っている」フェルスタッペンのシーズン外での姿勢にも触れた。「彼が自由な週末にGTレースを楽しみ、新しい父親として時間を過ごしている姿を見て、我々の心をつかんだ人も多いはずだ」仮にタイトルを逃しても、この“巻き返しの規模”は確実に歴史に刻まれる、とメキースは断言する。大逆転を支える“2,000人”の努力フェルスタッペンを語るとき、メキースは必ず「チーム全体」の存在を忘れない。「この歴史的な巻き返しは、ミルトンキーンズの2,000人のスタッフによるものだ。どれだけ厳しい前半戦でも、誰も諦めなかった」レッドブルは2025年序盤に苦戦し、2026年開発とのトレードオフにも直面したが、それでも開発を止めなかった理由をこう語る。「答えを求めていた。2026年は新レギュレーションだが、クルマを速くするために使うツールも分析も本質は変わらない。だから2025年型で何が足りなかったかを理解したかった」その積み重ねが、「後半戦のパフォーマンス解放」につながったという。フェルスタッペンの“ミスをしない男”としての強さザク・ブラウンが冗談で「ホラー映画の悪役のように何度でも戻ってくる」と表現したフェルスタッペンについて、メキースは笑いながらこう語った。「彼は本当にミスをしない男だ。スタートも、タイヤマネジメントも、オーバーテイクも外さない」こうした特性が、2,000人の努力とシンクロし、チーム全体の士気を押し上げたと締めくくった。
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