レッドブルの2026年のドライバー体制は発表され、マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてアイザック・ハジャーが昇格し、レーシングブルズではリアム・ローソンの残留とアービッド・リンドブラッドのF1デビューが決まった。角田裕毅は組織のリザーブドライバーへと移行する。1997年のF1ワールドチャンピオンであるジャック・ヴィルヌーヴによれば、これらの決定はいずれも「驚くようなものではなく、数カ月前から明らかだった」という。
ヴィルヌーヴは「我々は何カ月も前から知っていた。これは発表でも何でもない。ローソンだけが最後の疑問符だった。彼らはただ待って、待って、待っていただけだ。角田もそれを分かっていた。彼の態度を見れば分かった」と述べた。「ホンダもそれほど前向きではなかった」さらにヴィルヌーヴは、ホンダの姿勢も結論を後押ししたと指摘し、「ホンダでさえ、それほど前向きではなかった。すでにメッセージが伝わっていたのは明らかだった」と語る。そして角田裕毅にとって今回の決定は、成功したF1キャリアの自然な着地点として受け止めるべきだと述べた。ヴィルヌーヴは「角田は幸せであるべきだし、これまでの長く実り多いキャリアに感謝すべきだ。チャンスを得て、それがうまくいかなかっただけだ。しかし彼は大きな名前を築いた。これからもレーシングドライバーとして長い未来があり、多くのお金を稼ぎ続けるだろう。日本に戻ることもあるかもしれない。彼は日本ではスターで、その立場は普通なら永遠に続く。彼は名前をつくったのだから問題ない」と続けた。ヴィルヌーヴ「問題は“レッドブルの2番手”ではなく、フェルスタッペンの隣にいること」ヴィルヌーヴは、レッドブルの2番手としての苦しさではなく、「フェルスタッペン級のドライバーの隣に並ぶこと」こそが本質的な難しさだと強調する。ヴィルヌーヴは「レッドブルのナンバー2であることが難しいのではない。マックスのようなレベルのドライバーの隣にいることが難しいのだ。セナの隣も、マンセルの隣も、ピケの隣も、プロストの隣も、シューマッハの隣も常に難しかった。アロンソの隣もそうだ。そういうドライバーなのだ」と語った。リンドブラッド昇格にヴィルヌーヴが警鐘リンドブラッドのF1昇格について、ヴィルヌーヴは「我々はアービッド・リンドブラッドについて十分に知らない。F2から判断するのは本当に難しい。F3やF2で素晴らしくてもF1では役に立たないドライバーもいれば、逆にF1で良くなる者もいる。例えばベアマンのように」と指摘した。若手抜擢と見切りの速さは「レッドブルの文化」ヴィルヌーヴはまた、レッドブルが若手に大きく賭け、そして見切りも早いというスタイルを「これでいい」と評価する。ヴィルヌーヴは「判断するのは本当に難しいが、レッドブルはそういうチーム、そういう組織だ。賭けに出て、それで良しとする。ただし十分でなければすぐに手放す。ずっと置いておくことはしない。“チャンスを与える。だが足りなければ終わり”という姿勢だ」と述べた。そして最後に「トップレベルではそれが正しい姿勢だ。レッドブルに行くドライバーたちは分かっている。リスクを承知しているし、良いチャンスを得ていることも分かっている。あとは自分が最大限に生かすだけだ」と締めくくった。