レッドブル・レーシングの角田裕毅が苦戦を続ける一方で、マックス・フェルスタッペンはシーズン後半に入り、タイトル争いで確かな存在感を示している。今季序盤こそ出遅れたが、レッドブルは他チームが2026年の新レギュレーションに焦点を移す中でもRB21のアップデートを継続。フェルスタッペンは現在、首位ランド・ノリスから36ポイント差の3位につけており、ノリスと1ポイント差のオスカー・ピアストリを含め、3人による激しいタイトル争いが繰り広げられている。
パーマー「角田は十分競争力がない。だがフェルスタッペンにとって不利ではない」元F1ドライバーのジョリオン・パーマーは『F1 Weekend Warm-Up』の中で、「チームメイトの援護があればフェルスタッペンのタイトル争いに有利になるか」と問われ、こう答えた。「もちろん助けがあればいいだろう。去年のスプリントではオスカー(ピアストリ)がランド(ノリス)に譲った場面があったが、あれはちょっとしたサポートだった。もしマクラーレンがどちらか一方を完全に支援すれば、そのドライバーが圧倒的な有利になるだろう。なぜならもう一方がサポート役になるからだ」「その“後押し”が決定的な違いを生む。だがレッドブルにはそれができない。角田が十分に競争力を持っていないからだ」「とはいえ、現状は有利でも不利でもない。実質的に3人の独立したドライバーがそれぞれ自分のためにタイトルを争っている状況だ」3人による“独立戦争”としてのタイトル争いパーマーの指摘通り、2025年シーズン終盤のチャンピオンシップ構図は極めて稀なバランスとなっている。ノリス、ピアストリ、フェルスタッペンのいずれもチームメイトからの援護を受けられず、純粋な実力勝負の様相を呈している。一方で角田裕毅は、フェルスタッペンのタイトル争いに貢献できる立場にない現実を突きつけられており、レッドブル内でのプレッシャーも高まっている。この週末のサンパウロGPスプリントと決勝で、彼がどこまで巻き返しを見せられるかが、今後の評価を左右することになりそうだ。