角田裕毅に、2026年シーズンのインディカー転向という新たな選択肢が浮上している。しかし、F1情報サイト『F1 OVERSTEER』は「それはF1からの片道切符になる可能性が高い」と警鐘を鳴らしている。インディカーのジャーナリスト、トニー・ドノヒューは自身のYouTube番組『Unverified』で「角田裕毅がDale Coyne Racing(DCR)のNo.19マシンの候補に挙がっている」と報じた。
ホンダ・エンジンを使用する同チームとの結びつきは自然であり、ホンダ支援ドライバーとしての現実的な選択肢ともいえる。レッドブル昇格後の苦境とシート争い角田裕毅は2025年シーズン第2戦でレーシングブルズからレッドブル本隊へ昇格。しかし、19戦を終えての獲得ポイントは25にとどまり、チームメイトのマックス・フェルスタッペンの285ポイントとは大きな開きがある。“レッドブルのセカンドシートの呪縛”を破るには至っていない。チーム内ではアイザック・ハジャーの2026年昇格が既定路線と見られており、ローラン・メキース代表は「最終決定はアブダビGP前に行う」と発言。角田の去就は年末までに明らかになる見通しだ。DCRとホンダ支援による“現実的ルート”ドノヒューは「角田裕毅がホンダ支援のもとDale Coyne Racingの第2シートに収まる可能性がある。正式発表は来週にもあるかもしれない」と述べており、DCRはすでに元レッドブル・ジュニアのデニス・ハウガーを起用している。もし実現すれば、レッドブル育成出身コンビが誕生することになる。角田裕毅は2024年11月にチップ・ガナッシ・レーシングのインディカーをテストしており、その際には6度の王者スコット・ディクソンから直接アドバイスを受けた。この経験が、今回の移籍報道の信憑性を高めているとされる。F1からの“片道切符”という現実一方で『F1 OVERSTEER』は、「インディカー行きはF1への復帰を絶たれる片道切符になりかねない」と警告する。過去にもマーカス・エリクソン、アレクサンダー・ロッシ、ロマン・グロージャンといった元F1ドライバーたちがインディカーに転向したが、いずれもF1復帰は叶わなかった。例外はナイジェル・マンセルただ一人であり、彼の場合はF1王者として一時的にアメリカへ渡った特例だった。記事は「インディカーは実績あるドライバーがキャリア終盤に選ぶ場所であり、そこから再びF1に戻ることは極めて稀だ」と強調している。つまり、角田がインディカーへ向かうことは、事実上F1の舞台を去ることを意味する。角田裕毅に残された4戦と未来現在、レッドブル陣営では角田裕毅、リアム・ローソン、アイザック・ハジャーの3人が2席を争っており、誰か1人は確実に脱落する。角田が残るためには、ブラジルGPからの4戦で確実な結果を残す必要がある。ホンダ支援によるインディカー行きは“現実的なルート”に見える一方、それはF1から遠ざかるリスクを伴う選択でもある。角田裕毅がどの道を選ぶのか──それが彼のF1キャリアの未来を決定づける。
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