レッドブルのドライバーのうち、来季の契約がまだ決まっていない2人のうちの1人である角田裕毅が、賭けの中心にいる。ヘルムート・マルコ博士がそう冗談めかして語った。マルコはF1アメリカGP後、「マックス・フェルスタッペンと角田裕毅の差をどう縮めるか」と問われると、「マックスをクルマから降ろせばいい」と冗談交じりに答えた。だがその裏では、角田裕毅の最近のパフォーマンスに対して明確な評価を示している。
ご存じのとおり、マルコはレッドブルとレーシングブルズの両チームで、どのドライバーがF1世界選手権に出走するかを決める立場にある。現時点で2026年に確定しているのは、マックス・フェルスタッペンとスター新人のアイザック・ハジャーの2名だ。フェルスタッペンは来季も明らかにレッドブルのシートを維持することになるが、ハジャーについてはまだどのチームで走るのかが決まっていないとマルコ自身が語っており、角田裕毅のシートに疑問符がついている。アメリカGPでフェルスタッペンとレッドブルが勝利した後、マルコはフェルスタッペンのタイトル獲得の可能性について問われ、「リスクを楽しみたいなら、そうだね(フェルスタッペンに賭けるべきだ)」と答えた。81歳のオーストリア人であるマルコは、自身も賭けをしているのかと問われると「いくつか賭けをしているよ」と明かし、「誰に?」という質問に対しては「ユウキに」と答えた。なお、マルコが角田裕毅の何に対して賭けているのか、その具体的な内容については明らかにされていない。日本人ドライバーの角田裕毅は、サーキット・オブ・ジ・アメリカズで7位でチェッカーフラッグを受け、今季の獲得ポイントを28点に伸ばした。マルコはそのパフォーマンスを評価している。「そうだね。間違いなく彼のベストレースだ。クリアエア(前に車がいない状態)ではコンペティティブなラップタイムを刻んでいた」と語った。マルコのトーンに変化 角田裕毅への評価が上昇マルコは以前、来季2026年のマックス・フェルスタッペンのチームメイトを決定するのは「メキシコGP後」と明言していたが、オースティンでの角田の好走とアイザック・ハジャーの不調を受けて、最新のコメントではその口調をややトーンダウンさせた。「今はそれが最優先事項ではない」とマルコは独『Sky』に語り、「基本的にはそのタイミングを考えているが、実際に決断できるかどうかは様子を見よう」と慎重な姿勢を見せた。フェルスタッペンの勝利を祝う場面でも、角田の隣で談笑するマルコの姿が見られ、両者の関係性が良好であることをうかがわせた。レッドブルはメキシコGP後に残りのドライバー体制を発表する見通しであり、マルコも「今年はメキシコの後に腰を据えて検討する」と繰り返した。フェルスタッペンが角田裕毅に対してレース終盤で56秒もの差をつけたことを指摘され、その差を縮める方法はあるかと問われると、マルコはただ一言「そうだね、マックスをクルマから降ろせばいい」と答えた。メキースの効果で角田裕毅の調子も上向き?ローラン・メキースがレッドブル・レーシングのチーム代表として初めて姿を見せて以来、マックス・フェルスタッペンの調子が再び上向き、タイトル争いに復帰しただけでなく、角田裕毅にも目に見える──とはいえやや控えめながらも──好影響が表れている。角田裕毅の調子の上昇は、レッドブルにとってまさに絶好のタイミングだった。現在、レッドブルはコンストラクターズ選手権2位を争うフェラーリとメルセデスとの三つ巴の戦いの渦中にある。Source: GP BLOG
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