レッドブル昇格の行方が注目される角田裕毅に、かつての恩師フランツ・トストが辛口の評価を下した。イタリアGP後、トストは「裕毅は才能はあるが勤勉さが足りない」と指摘し、F1で生き残るためにはさらなる努力が不可欠だと直言した。モンツァではローソンとの接触でポイント獲得を逃し、ハミルトンとの攻防にも不満を示した角田裕毅。苦境の中で飛び出した恩師の言葉は、キャリアの正念場に立つ彼にとって重い警告となった。
ServusTVでフランツ・トストはイタリアGP後に率直な見解を述べた。長年アルファタウリのチーム代表を務めたトストは、角田裕毅の持つスピードを評価しつつも、大きな課題が残っていると指摘した。「裕毅はスピードそのものはとても良い。だが、それが逆に問題でもある。下のカテゴリーでは常に素晴らしい成績を残してきた。F3でもF2でもそうだった。それがすべて簡単に手に入ってしまったんだ」とトスト。しかしF1では才能だけでは通用しないと強調する。「私はいつも言ってきた。裕毅、F1では働かなくてはいけない。もし自分がチームメイトより0.5秒から1秒遅ければ、昼夜を問わずパドックに残ってデータを研究し、自分がなぜ遅いのかを突き止めるまでやり続けなければならない」「そこに裕毅を連れていかなければならない。彼は才能があるが、残念ながら勤勉さが足りない。この欠点を補うだけの努力が不足している」と語り、次のステップを踏んでレッドブルのシートを守れるかどうかは角田裕毅自身にかかっていると断じた。ローソンとの接触に苛立ち角田裕毅のイタリアGPは、元チームメイトのリアム・ローソンとの接触で早々に狂った。「僕はダメージを受けてしまい、それが大きくてスピードを大幅に失った。本当にフラストレーションがたまるし、まったく不要なことだった」とレース後に語った。特に不満だったのは、ローソンがポイント争いをしていなかったことだ。「僕は1周あたり1秒速く、彼は後方からスタートして何も得られるものはなかった。意味がわからない。僕はポイントを争っていたが、彼はそうではなかった」チーム代表のローラン・メキースも後に認めた。「アンダーボディが損傷していた。それでレースは実質的に終わっていた」ハミルトンにも怒りさらにルイス・ハミルトンにも不満をぶつけた。オープニングの第1コーナーで不当な扱いを受けたと感じている。「彼は僕を明らかに挟み込んできた。コーナーを回ったわけではなく、直接突っ込んできたんだ。幸運にも接触を避けられたが、本来なら指摘すべきことだ。彼はただ飛び込んできただけだ」マルコも不快感、ローソンは軽視レース後、レッドブルのアドバイザー、ヘルムート・マルコもSkyに対しローソンとの接触を厳しく批判した。「同じ陣営の2人が接触するなんてまったく愚かだ。マシンはかなりのダメージを受けてしまった」一方でローソンは事態を軽く見ていた。「本当に大したことじゃなかった。彼がターン1で僕を抜いて、僕はターン4で戻そうとしたが、右側にスペースがなかった。そこで接触してシケインを通過し、再びポジションを取り戻したんだ」とニュージーランド人は説明した。角田裕毅にとってモンツァは大きな失望の週末となったが、フランツ・トストはその原因をさらに深い部分に見ている。才能だけではF1に長く居続けることはできない。トストはこう結んだ。「これから先に進めるかどうかは、彼自身の手にかかっている」