角田裕毅(レッドブル)は、F1ハンガリーGPの予選でQ1敗退を喫し、決勝でも17位に終わったが、週末全体を通じて「マックス・フェルスタッペンとの差が縮まったことは誇れる」と語り、前向きな手応えを口にした。苦しい展開が続くなかでも、角田裕毅はマシンの挙動や戦略の混乱に対するフラストレーションを滲ませつつ、今季の進歩や週末の収穫を強調。予選後と決勝後の両コメントからは、冷静な自己評価と次戦に向けた意欲が見て取れる。
角田裕毅は予選Q1で敗退し、16番グリッドからのスタートとなった。これでRB21でのQ1敗退は過去8戦で4回目となったが、今回のハンガロリンクでは週末を通してマックス・フェルスタッペンに接近し、一部のセッションでは前に出る場面も見られた。マックス・フェルスタッペン自身も予選では苦戦し、8番手にとどまっている。角田裕毅は予選後、「もし何が問題なのか分かっていたら、こんなに苦労していないです。なので、まだ分かっていません」と率直に語った。「バランス自体はそれほど悪くないんですが、クルマが出してくれるグリップレベルがすごく低いんです。普段感じるようなレベルではないですね」「でも今週を通しては、僕たちのガレージ側から見て、マックス・フェルスタッペンにコンスタントに近づけていたのはポジティブな点でした。セッションによっては前に出られていたし」「だから、ポジティブに捉えられる部分はあると思います。でも同時に、チームにとっては簡単な状況ではないですね」FP3に向けて行った変更については、かえって悪化を招いたと振り返る。「正直に言うと、FP3に向けていくつか変更を加えたんですが、それで僕たちのガレージ側としては少し後退してしまった部分がありました。それは回避できたはずの問題でした」「完全に僕たちのコントロールの範囲内だったんです。だからこそ、そういうことが起きるべきではなかったと思っています。将来的には改善しないといけませんね。予選でどれくらいのパフォーマンスが出せるかという見通しが少し混乱してしまったので、それがすごくフラストレーションになっています」そのうえで、週末を通じての進歩についても口にした。「もちろん、マックス・フェルスタッペンはマックス・フェルスタッペンです。でも同時に、さっき言ったように、ポジティブな面もありました。週末を通してマックス・フェルスタッペンにすごく近づけたし、セッションによっては前に出ることもできた」「だから、Q1で敗退したのは当然フラストレーションが溜まるけど、彼も危なかった。そういう意味では、少しは誇れる部分かなと思います」実際に予選Q1での角田裕毅とマックス・フェルスタッペンの差はわずか0.163秒。これは今季ここまでで最も小さいギャップだった。そして迎えた決勝では、さらに厳しい展開が角田裕毅を待ち受けていた。レース中にフロントウイングの一部が脱落するトラブルに見舞われ、思うような戦略も取れず、最終的に17位でフィニッシュすることとなった。「この週末はチームにとって本当に厳しいものでした。今日もポイント圏に入るのは難しいと分かっていたし、フロントウイングにダメージを負ってしまってからは実質的にレースは終わったようなものでした」「ガーニーフラップが途中で外れてしまって、それがペースにもグリップにも大きな悪影響を及ぼしました。そのせいでポジティブな戦略を取るチャンスも失ってしまったんです」それでも、今季ここまでの進歩には一定の手応えを感じているという。「今シーズンを振り返れば、ポジティブなことも感じています。特にスパで新しいフロアが投入されてからは進歩がありました。マックス・フェルスタッペンとの差も縮まり続けていて、紙の上では僕たちは彼のペースから0.1秒差のところまで来ています。彼にそこまで近づけているドライバーは多くないと思うので、それは誇れることです」「明日はそのままファクトリーに行ってシミュレーターに入ります。どこで間違えたのかを分析して、夏休みの間にしっかり作業を進めていかないといけません。最後の数戦のような形で後半戦をスタートしたくはないですから」「悔しい週末でしたが、ポジティブに捉えて、もっと強くなって戻ってきたいです」