F1界では再び“シリーシーズン”の季節が訪れ、ドライバー市場に関する憶測や移籍話が熱を帯びている。特にイギリスGPの週末では、マックス・フェルスタッペンとジョージ・ラッセルの将来に注目が集まり、2026年のグリッド編成に大きな影響を及ぼす可能性が示唆された。今季も折り返し地点を迎え、現行の契約状況が改めて注目されている。複数年契約を結んでいるドライバーがいる一方で、レッドブルの角田裕毅を含めて2025年末で契約が切れる者も多く、未確定要素が山積みだ。
ここでは、各ドライバーの契約期間を整理しつつ、来季以降のラインアップに最も大きな影響を与えるであろうキープレイヤーたちの動向に迫る。以下は現時点でのF1ドライバー契約状況である。マクラーレン■ ランド・ノリス:複数年契約(2027年以降まで)■ オスカー・ピアストリ:複数年契約(2028年以降まで)フェラーリ■ ルイス・ハミルトン:2026年まで■ シャルル・ルクレール:複数年契約(2027年以降まで)レッドブル■ マックス・フェルスタッペン:2028年まで■ 角田裕毅:2025年までメルセデス■ ジョージ・ラッセル:2025年まで■ アンドレア・キミ・アントネッリ:2025年までアストンマーティン■ フェルナンド・アロンソ:2026年まで■ ランス・ストロール:複数年契約(2026年以降まで)アルピーヌ■ ピエール・ガスリー:2026年まで■ フランコ・コラピント:ローリング契約(年次更新制)ハース■ エステバン・オコン:2026年まで■ オリバー・ベアマン:2026年までレーシングブルズ■ リアム・ローソン:2025年まで■ アイザック・ハジャー:2025年までウィリアムズ■ アレックス・アルボン:2026年まで■ カルロス・サインツ:2026年までザウバー■ ニコ・ヒュルケンベルグ:2026年まで■ ガブリエル・ボルトレト:2026年までこのように、2025年末で契約が切れるのは角田裕毅、ジョージ・ラッセル、アントネッリ、ローソン、ハジャーの5人となっている。“マックス要因”がもたらす影響現F1ワールドチャンピオンのフェルスタッペンは、2028年までレッドブルとの契約があるとはいえ、パドック内では“パフォーマンス条項に基づく離脱条項が存在する”のは公然の秘密とされている。2025年シーズンここまでで彼は際立ったパフォーマンスを見せているが、すべての条項が満たされているわけではないと見られており、他チームと交渉可能になる可能性がある。クリスチャン・ホーナーのレッドブル代表解任、2026年から導入されるフォード支援のRBPT(レッドブル・パワートレインズ)の不確実性、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスのパフォーマンス、そして現チームでの絶対的ナンバーワン待遇――これらの要素がフェルスタッペンの判断に影響を与えるだろう。メルセデスのトト・ウォルフ代表は以前からフェルスタッペンへの関心を公に示しており、条件が整えば獲得に動く可能性は高い。トップチームへの移籍を考える場合、メルセデスが唯一の現実的な選択肢とも言える。レッドブルのセカンドシートも依然として注目の的だ。過去のドライバーたちが苦戦を強いられた中で、角田裕毅は今季限りで契約終了となり、残留は難しいと見られている。一方でアイザック・ハジャーはレーシングブルズで好印象を与えており、昇格候補と目されている。“ラッセルとバトル”の構図フェルスタッペンの去就は、契約延長を決めていないジョージ・ラッセルの動向にも影響する。彼とフェルスタッペンは関係が良好とは言えず、両者がメルセデスで“銀の矢の賛美歌”を一緒に歌えるのかは疑問が残る。仮にそれが困難であれば、ラッセルがレッドブルへ移る可能性や、エイドリアン・ニューウェイ設計による新型マシンが登場する2026年のアストンマーティンに移籍する選択肢も噂されている。同じくメルセデスに所属するルーキーのアントネッリも契約は今年で終了。瞬間的な輝きは見せているが、安定感に欠けており、トト・ウォルフが彼を引き続き起用するのか、経験を積ませるため他チームへ“武者修行”させるのかが注目される。2026年に2シート追加、新チーム登場2026年には新たに2つのシートが加わる。キャデラックF1が11番目のF1チームとして参戦を予定しており、ドライバー市場に新たな動きを生むだろう。トップチーム所属のドライバーを引き抜くのは現実的でないにせよ、GM支援による潤沢な資金力を背景に、堅実かつ実力あるラインアップを構築すると見られている。かねてから元レッドブルのセルジオ・ペレスが最有力候補と報じられており、近く正式発表される可能性がある。また、バルテリ・ボッタス(現在はメルセデスの第3ドライバー)も候補に挙がっているほか、角田裕毅、ミック・シューマッハ、周冠宇、F2ランキング2位のアメリカ人ジャック・クロフォードらもチャンスをうかがっており、今後数週間は彼らにとって“電話を離せない”状況が続きそうだ。
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