角田裕毅は2025年F1オーストリアGPで16位に終わり、これで4戦連続ノーポイントとなった。レッドブル・レーシングのレースドライバーとして出走する角田にとって、この成績は2009年のマーク・ウェバー以来となる、レッドブルF1ドライバーとしての最長ノーポイント記録である。フェルスタッペンのリタイアによってレッドブルの連続ポイント記録は77戦で途切れ、チームに残された唯一の望みは角田裕毅だったが、得点圏には届かず、状況の厳しさを改めて露呈する結果となった。
ランド・ノリスにとって、これは自身6度目の1-2フィニッシュであり、マクラーレンという唯一の所属チームにおいて初めて自身が1位となる1-2だった。これまでオスカー・ピアストリとともに4回、2021年モンツァではダニエル・リカルドの後ろで2位に入っている。今回の勝利により、ノリスはグランプリ通算7勝でピアストリと再び並んだ。これはフアン・パブロ・モントーヤやルネ・アルヌーと同じ勝利数となる。また、キャリア通算12回目のポールポジション獲得も達成し、ゲルハルト・ベルガーやデビッド・クルサードと肩を並べた。しかし、ピアストリがファステストラップを奪取したことで、ノリスの今季4度目の「ハットトリック(三冠:ポール・優勝・ファステスト)」達成は阻止された。これでピアストリのファステストラップ数は6に到達し、エマーソン・フィッティパルディ、マイク・ホーソン、フィル・ヒル、ホセ・フロイラン・ゴンザレス、ダン・ガーニー、カルロス・ロイテマン、ハインツ=ハラルド・フレンツェンと並んだ。フェルスタッペンはアンドレア・キミ・アントネッリとの接触によりリタイアし、これが31戦ぶりのリタイアかつノーポイントとなった。この記録は自身最長の連続ポイント獲得記録(43戦)には届かなかったが、それでも大きな記録が途切れた形だ。F1史上最長の記録はルイス・ハミルトンの48戦連続である。レッドブルとしても、2022年バーレーンGPでのダブルリタイア以降、77戦連続でポイントを獲得していたが、今回のオーストリアGPでついにこの記録が途切れた。なお、史上最長はフェラーリの81戦(2010年ドイツGP〜2014年シンガポールGP)で、あと4戦に迫っていた。フェルスタッペンのリタイア後、チームの得点記録をつなぐ最後の望みは角田裕毅に託されたが、厳しい予選結果とレース展開が続いている。今回の予選も含めて、角田はレッドブル育成ドライバーとして過去18年間で最悪となる5戦連続Q1敗退を記録している。レースでは16位フィニッシュに終わり、これで4戦連続ノーポイント。これは2009年のマーク・ウェバー以来、レッドブル所属ドライバーとして最長のノーポイント連続記録となる。ただし、当時のポイント制度では8位までにしかポイントが与えられず、ウェバーはその連続記録中に9位を記録していた(現在の制度では2ポイント相当)。加えてその後のインテルラゴスでは優勝している。一方で、トップ10フィニッシュを4戦連続で逃したレッドブルドライバーは、2008年のデビッド・クルサード以来となる(ハンガリー~イタリアで11位、17位、11位、16位)。ちなみにマクラーレンがオーストリアで最後に優勝したのは2001年、クルサードによるもので、当時はまだ「A1リンク」と呼ばれていた。現在の「レッドブル・リンク」に改称される前の話だ。フェルスタッペンは、レッドブル・リンクで5戦連続ポールポジションを記録していたが、今回はその記録も途切れた。ただし、そのうち1回は2021年のシュタイアーマルクGP(オーストリアGPとは別名)でのものである。さらに追い打ちをかけるように、角田がかつてレッドブルで起用された際にシートを奪ったリアム・ローソンが、F1キャリア22戦目で自身最高の6位フィニッシュを記録。これにより、角田はレッドブル支援を受ける4人のドライバーの中で選手権最下位となった。ニュージーランド人ドライバーがここまで上位に入ったのはほぼ50年ぶり。最後にそれを達成したのは、1976年のスペインGPで5位に入ったクリス・エイモンだった。また、ガブリエル・ボルトレトも8位フィニッシュでF1初ポイントを獲得し、自己最高位を更新。チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグとともにダブル入賞を果たしたが、これはチームがまだアルファロメオと呼ばれていた2023年カタールGP以来のことだった。チーム名がザウバーだった時代の最後のダブル入賞は2018年メキシコGPで、当時はシャルル・ルクレールが7位、マーカス・エリクソンが9位だった。