角田裕毅は、2025年F1エミリア・ロマーニャGPの決勝をピットレーンからスタートする。レッドブル・レーシングが、予選での大クラッシュによるマシンの損傷によりスペアシャシーを組み上げる必要があったためだ。角田裕毅は、予選Q1序盤、セクター1終わりの高速シケイン「ヴィルヌーヴ」でRB21のコントロールを失い、イン側のウォールに激突。その衝撃でマシンは横転し、激しく転がった。
幸いにも角田裕毅は自力で脱出し、メディカルセンターでの検査を受けたが、怪我はなかった。この事故によってRB21は深刻なダメージを負い、チームはサバイバルセル(クラッシュ時にドライバーを守るシャシーの中心部)を含むスペアシャシーを用いてマシンを再組立。FIAのテクニカルデリゲートであるヨー・バウアーは、以下のように説明している。「サバイバルセル交換後に22号車を再組立する過程で、レッドブル・レーシングは複数のコンポーネントに異なる仕様の部品を使用した。そのため、2025年F1スポーティングレギュレーション第40.9条a項に基づき、22号車はレースをピットレーンからスタートしなければならない」さらに、角田裕毅のマシンには新しいホンダ製パワーユニット(今季3基目)も投入され、多くのコンポーネントがパルクフェルメ下で交換された。特に「コントロール・エレクトロニクス」と「エナジーストア」は、年間使用上限を超過。ただし、ピットレーンスタートによりこれらのペナルティは実質的に吸収される形となる。この週末、角田裕毅のRB21にはマックス・フェルスタッペンと同仕様のフロアを含むアップグレードが投入されていたが、予選Q1での単独クラッシュによりすべてが水泡に帰す形となった。クラッシュ後の角田裕毅のマシンの残骸クラッシュ後、角田裕毅は自らの判断について厳しく振り返っている。「正直、自分がすごく愚かだったと思っています。あのタイミングであれだけプッシュするのは、明らかにやりすぎでした」「クルマには大きな変更が入っていて、まだ十分に理解できていない部分が多かったんです。それなのに、あそこまで攻めてしまったのは本当に軽率でした」「正直なところ、あそこまでプッシュする必要はまったくなかったと思っています」一方、チームメイトのマックス・フェルスタッペンは予選2番手を獲得しており、日曜の決勝ではポールポジションのオスカー・ピアストリと最前列に並び、勝利を狙う。