角田裕毅が不振のリアム・ローソンに代わってレッドブル・レーシングにシートを手にするには今週末のF1中国GPこそ重要なレースになるかもしれない。またシーズンは第2戦を迎えるところだが、セルジオ・ペレスに代わって今年からレッドブル・レーシングに昇格したリアム・ローソンは厳しい立場に置かれている。これまでスプリントを含めた3回の予選ではすべてQ1敗退を喫しており、上海では両予選とも最下位で、本予選ではマックス・フェルスタッペンから0.75秒差がついた。
リアム・ローソンにとって幸い(?)なのが、メルボルンと上海はどちらも初めて走るサーキットとしうことだ。したがって、次の鈴鹿サーキットで行われるF1日本GPでその真価が問われることになる。レッドブルがリアム・ローソンを、主に彼の精神的な強さを理由に、角田裕毅ではなく選んだことで、今週、マクラーレンのCEOであるザク・ブラウンが「奇妙な」選択だと批判した。レッドブルのアドバイザーであるヘルムート・マルコは、上海のServus TVに対し、「私はそのようなことをあまり真剣に聞いていない」と語った。「こういったことはいつもの茶番だ」と語った。また、Osterreich紙に対しては、「裕毅は昨年一貫性を欠いていた。残念ながら、ローソンもまだ何もまとまっていない」「しかし、メルボルンでのドライコンディションでは最速のドライバーの一人だったことは見落とされていた。だから、まだ彼を切り捨てないでおこう」「最初の3レースはすべて異なるコース上で行われるので、もう少し様子を見よう。そうすれば、より意味のある見解が得られるだろう」ローソンがスプリント予選で最下位だったのを見て、マルコはServus TVに次のように語った。「オーストラリアは彼の最初のレースだったし、中国でのトラックも知らない。明らかに、それは状況をより困難にしている」「彼は最初の走行ではうまくやっていたが、2回目の走行ではタイヤを温めることができなかった」「彼はリズムをつかんだと思ったが、非常に難しいようだ。彼が言うように、マシンはレーシングブルズのマシンよりも運転が難しいが、今は徐々にリズムをつかむ必要がある」ヘルムート・マルコは角田裕毅についても注目している。「裕毅は昨年から今年にかけて、また一歩前進した。私は裕毅という人間、そしてドライバーとしての彼について話している」「彼はマネジメントも変えたが、今のところは非常にうまくやっている」クリスチャン・ホーナーは、今のところローソンを支持している。「リアムはかなり賢明な判断力を持っていると思う。彼にとっては厳しい洗礼だった」とホーナーは語った。「私は彼に、否定的な意見やソーシャルメディアを無視して、ひたすら前を向いて走ればうまくいくと伝えた。彼には少し時間が必要だ」「しかし、レッドブルは厳しい場所だ」とホーナーは語った。「マックスはチームにほぼ10年所属している」「我々は若い才能をサポートするという方針を持っている。だからこそ、リアムにこのチャンスを与えているのだ」とホーナーは語った。ローソンは、率直で自信に満ちたドライバーとして知られているが、その自信はすでに揺らぎ始めているのだろうか?「このスポーツでは、精神的な強さが重要だ」とローソンはBildに語った。「コース上での自信のなさは、マシンの運転に影響する」「最高のパフォーマンスを発揮するには、そうした考え方が必要だとわかっている」角田裕毅よりもローソンがシートを確保したのは、ペースよりも回復力のおかげなのかと尋ねられたローソンは、「僕を信じてくれたからこそ、僕を選んでくれたのだと思う」と答えた。ローソンは上海のスプリントレースで、最後尾から14位まで追い上げた。「彼がフィニッシュラインを切ってくれて本当に良かった」とマルコは語った。角田裕毅のレッドブル・レーシング昇格にとってF1中国GPでは、新たな伏兵が現れた。レーシングブルズのルーキー、アイザック・ハジャーだ。アイザック・ハジャーは、期待に反して(?)堅実な走りを見せており、指摘されていた無線で怒りを爆発されることはない…開幕戦のフォーメーションラップでクラッシュした際にはヘルメットの中で涙を流して違った形で感情的になったが…角田裕毅は昨年、レッドブルの4名のドライバーのうち、ポイント圏内で2番目に上位でフィニッシュしたレースは5レースしかなかった。セルジオ・ペレスがQ1敗退やノーポイントなどで批判にされられた週末に角田はポイント圏内でフィニッシュできないことの方が多かった。昨年末のレッドブルとのポストシーズンテストでは、アイザック・ハジャーよりも下位でテストを終え、クリスチャン・ホーナーに「ハジャーの方が速かった」という言い訳を与えた。今回のF1中国GPでハジャーよりも下位でフィニッシュすることになれば、おそらく「ハジャーは初めてのサーキットである上海でユウキよりも上位でフィニッシュした」と言われることになってしまうだる。したがって、角田裕毅は今回のF1中国GPで、ただポイントフィニッシュするだけではく、なんとしてもアイザック・ハジャーよりも上位でポイントを獲得する必要がある。