アルファタウリ・ホンダF1の角田裕毅が、ピエール・ガスリーとのドライビングスタイルの違いを分析。ラップタイムの差を生み出しているのはマシンに対する“自信”だと語る。プレシーズンテストでの走りとF1バーレーンGPでのデビュー戦のパフォーマンスに基づけば、角田裕毅がルーキーシーズンで苦戦を強いられている問題は自信の欠如だ。
そして、F1トルコGPの週末は、アルファタウリ・ホンダのマシンに対する角田裕毅の問題が明らかになった。それは、2019年前半にレッドブル・レーシングでピエール・ガスリーがマックス・フェルスッペンを相手に苦戦したと類似した問題であることが強調された。2019年にピエール・ガスリーは予選でマックス・フェルスタッペンに対して0.456%のギャップだったが、角田裕毅はピエール・ガスリーに対して0.570%と多い。また、ポイント獲得についてもガスリーがフェルスタッペンの35%だったのに対し、角田裕毅は24%と少ない。両チームの競争の質と規模には違いがあるため、状況はまったく同じとは言えない。しかし、本質的には、チームメイトが最大限に活用できるマシンの動的な要求にどちらも適応できないという点で、彼らの問題は似ている。F1トルコGPは、非常に効果的にその問題点を示した。角田裕毅はQ3に到達したなかでソフトタイヤを使用した唯一のドライバーだったが、予選後に「ペースが全然違う」「すぐに金曜日のプラクティスに似たようなフィーリングを得られなかった」と不満を漏らした。対照的に、ピエール・ガスリーは「今日は多くの変更を加え、マシンははるかに生き生きとしていた」と語った。アルファタウリ・ホンダF1は、金曜日にアンダーステアが多すぎて苦戦していた。それは、角田裕毅を落ち着かせたが、ピエール・ガスリーを制限していた。二人のセットアップが似ていたことを考えると、これは、1人のドライバーがマシンの運転方法に満足していることを示している。ピエール・ガスリーは、ターンイン時にブレーキングでリアを一気に回転させることができるセットアップことを常に支持しており、事実上、そのアプローチが近年彼にペースを与えている。だが、角田裕毅はシーズンの早い段階でクラッシュしてマシンへの自信を失ったことで、より安定したリアエンドを切望している。フロントエンドがグリップしたときのバランスシフトがあまり積極的でない場合、アンダーステアが出てしまう。F1トルコGPの予選後、ピエール・ガスリーは「僕はマシンが回転してくれるのが好みだけど、裕毅はそうでもないかもしれない」と語った。「僕はアンダーステアが好きではなく、常にフロントが強いマシンをセットアップしようとしている」アルファタウリ・ホンダF1の問題は、ピエール・ガスリーがレッドブルでのマックス・フェルスタッペンに対するものと比較すればマイルドなバージョンだ。ガスリーは自信を失ったわけではない。少なくとも早い段階では、彼はしばしばブレーキを遅らせ、結果としてマシンを回転させきれなかった。つまり、マックス・フェルスタッペンと比較してコーナー出口が長く、自信を持ってパワーをかけるのに苦労した。また、マックス・フェルスタッペンは、幅広い特性のマシンを扱う驚異的な能力を備えたドライバーであり、レッドブルにうまく適応できたが、ガスリーは苦労した。当時、レッドブルは、ピエール・ガスリーが不可能なバランスを追求してあまりにセットアップを変えすぎていると感じていた。トロロッソ/アルファタウリのマシンでバランスを達成できるのは、パーツのクロスオーバーしているものの、空力哲学が異なるからだ。角田裕毅は、イモラやポールリカールでの予選、モナコやハンガリーでのフリープラクティスなど、重要な瞬間のクラッシュによって、シーズンを通して自信を失っていったと語る。だが、彼は結果が出ていないにもかかわらず、少なくとも最近のレースでその自信を再構築し始めている。角田裕毅は、アルファアウリ・ホンダのF1マシンの基本的なバランスは変わっていないが、「悪循環によって自信を失った」とし、「マシンに適応できなくなった」と振り返る。自分とピエール・ガスリーのドライビングスタイルを比較するよう求められた角田裕毅は「彼は早くブレーキをかけますが、コーナーの真ん中までより多くのエントリースピードを維持します」と語った。「彼はリアに自信があり、一気に向きを変え、マシンを回転させるためにマシンの動きを感じるのを待つ必要はありません」「僕にはその自信がなかったので、まずはマシンを感じるためにゆっくりと徐々に向きを変えなければなりませんでした。それはラップタイムの差を意味します。確かにドライビングスタイルは同じではありません」角田裕毅は、自信をつけることが自分のポテンシャルを解き放つための「主要な鍵」であると説明した。しかし、角田裕毅は少なくともピエール・ガスリーがレッドブルで得られなかったものを持っている。力強いパフォーマンスをしているチームメイトに対して足場を築くために12レース以上あることだ。角田裕毅は、2022年のスタートからすぐに仕事を始められるように残りのシーズンを最大限に活用する必要がある。それができれば、今シーズの序盤の評判のように素晴らしいシーズンが待っているかもしれない。