勝田貴元(トヨタ)は2026年WRC第4戦クロアチア・ラリーで優勝を飾り、サファリ・ラリー・ケニアに続く2連勝を達成した。最終ステージで首位ティエリー・ヌービル(ヒョンデ)がクラッシュしたことで、劇的な逆転での勝利となった。最終ステージ直前まで1分以上の差を追う展開だった勝田にとっては、通常であれば逆転が極めて困難な状況だった。しかし、過酷なコンディションが続いた今回のラリーは最後まで波乱含みとなり、その流れを最後に引き寄せたのが勝田だった。
最終SSで訪れた決定的な瞬間勝田貴元は最終ステージを前に2番手につけていたが、首位のヌービルは1分15秒4の大差を築いていた。勝負はほぼ決したかに見えたが、ラストのステージで状況が一変する。ヌービルはヒョンデi20 N Rally1のリアを滑らせ、コンクリートブロックに接触。フロント右に致命的なダメージを負い、ステージを完走できなかった。これにより勝田が首位に浮上。最後の最後で勝利を手繰り寄せ、2連勝という結果をつかんだ。消耗戦を生き残った安定した走り今回のクロアチア・ラリーは、近年でも屈指の消耗戦となったターマックイベントだった。特にステージ14では、路面に土や岩が散乱し、ドライバーたちが「グラベルのようだ」と語るほど難しいコンディションとなった。この区間では勝田を含む複数の上位陣がパンクに見舞われたが、勝田はタイムロスを最小限に抑えて走り切ることに成功。結果として、この対応が後の逆転劇につながる重要な要素となった。首位を走っていたサミ・パヤリはタイヤ交換を余儀なくされて大きく後退し、ラリーの流れは大きく動いたが、勝田は安定した走りで上位を維持し続けた。ライバルの脱落で浮かび上がった勝機ラリー序盤から波乱は続いていた。選手権上位のエルフィン・エバンスとオリバー・ソルベルグが金曜日の段階でリタイアし、優勝争いの構図は大きく変化した。ヌービルはその中で着実にリードを広げ、終盤には勝利が目前の状況にあったが、最後のステージでその優位性を維持することはできなかった。勝田はそうした状況の中で着実にポジションを上げ、チャンスを逃さなかった。結果以上に大きい2連勝の意味今回の勝利により、勝田貴元はシーズン序盤で2連勝を達成し、選手権争いにおいても大きく前進した。消耗戦となったクロアチアでの勝利は、単なる順位以上に、安定性と対応力の高さを示す内容となった。最終ステージで決着した今回の一戦は、2026年シーズンの流れを左右する重要な結果となる可能性がある。