2017年の世界ラリー選手権(WRC)第8戦 ラリーポーランドは、シトロエン・トタル・アブダビWRTのステファン・ルフェーブル/ギャビン・モロー組が総合5位に入賞、チーム最上位でフィニッシュを果たした。さらにアンドレアス・ミケルセン/アンデルス・ヤーゲル組は総合9位、クレイグ・ブリーン/スコット・マーティン組は総合11位と、チームからエントリーした3台すべてがラリーを走り切った。
競技最終日となる3日目は、ふたつのステージを2回走行する構成で行われました。前日夜には小雨が降っていましたが、この日の朝、クルーがサービスを出発する頃には再び雨が降り始め、コンディションが特に厳しくなることが予想された。オジシュのステージを走り切ったシトロエン・トタル・アブダビWRTの各クルーは、この予想が当たっていることを痛感した。道はかなり滑りやすく、十分な自信を持ってプッシュすることは不可能だった。パプロトキの1回目の走行は、ドラマの連続だった。ハードに攻めていたミケルセンはコーナーでのブレーキが遅れてオーバーランし、トヨタのユホ・ハンニネンに10番手の座を明けわたすことになった。一方のルフェーブルは、フェンスとの接触や、ステージ途中で木の杭がマシンのラジエーターグリルに引っかかるなどのトラブルを抱えながらも、このステージで3番手タイムをマークした。パプロトキでMスポーツのオット・タナクがリタイアしたことで、シトロエンのドライバーたちは順位をひとつずつ上げ、2回目のオジシュを迎えた。このSS22で3番手タイムをマークしたミケルセンは、ハンニネンとの差を4秒以下にまで詰めることに成功した。このため勝負の行方はすべて、最終SSであるパワーステージの結果に委䛽られることとなった。18.68kmのSSで、ミケルセンはハンニネンに対し14.2秒差をつけて総合9位に浮上。ルフェーブルも、ミケルセンにわずか1秒遅れの好タイムをマークし、さらに順位をひとつ上げてWRCでの自己ベストタイ(2016年モンテカルロ)のリザルトを収めた。金曜日の午前中にメカニカルトラブルを抱えて順位を下げていたブリーンは、11位まで順位を取り戻してフィニッシュを果たした。3日目は1番手でステージを走行することになったブリーンだったが、この先のラリーに向けて貴重な経験をんだ。チームはこの後すぐ、第9戦ラリーフィンランド(7月27〜30日)に向けた準備を行います。フィンランドには、クリス・ミーク、クレイグ・ブリーン、ハリ・アル‐カシミという布陣で臨む。イブ・マトン(シトロエン・レーシングチーム代表)「私たちは、今回のラリーをシーズンの新たな章の始まりと捉えていました。シトロエン C3 WRCに施したアップグレードには明らかに効果がありました。難しい天候のため、すべてのSSでその効果を表すことはできませんでしたが、3台のマシンが再出走システムを使うことなくラリーを完走したので、エンジニアたちは多くのデータを活用して、今後の車両開発につなげることができます。ルフェーブルがシトロエン C3 WRCで初めて5位入賞を果たしたことも、大変うれしく思います。まだトップレベルでの経験が浅いなかで、彼のポテンシャルが裏付けられました。この週末、必死で取り組んでくれたチームのみんなが、素晴らしい仕事をしてくれた結果だと思います」ステファン・ルフェーブル「シーズンの滑り出しは、かなり厳しい内容だったので、チームのみんなにとって士気が高まるリザルトです。いつでも自分を支え続けてくれたチーム、自分のキャリア最上位のリザルトを得るため後押ししてくれたエンジニアたちに、感謝したいです。グリップがあれ䜀、プッシュできる大きな自信を感じていました。次の2戦には参戦しませんが、いい兆しをつかんで休息を迎えることができます!」アンドレアス・ミケルセン「再走するSSでは、グリップが良くなり楽しめるようになりました。パワーステージで好タイムを出していいかたちでラリーを終えることができてうれしいです。第10戦のラリードイチェラント出場に向けて、C3 WRCをターマックでテストするのを楽しみにしています」クレイグ・ブリーン「この週末は自分のキャリアのなかでも最も難しいものになりました。とにかくフィニッシュできたことがうれしいです。ラリー中もマシンを改善させるため、必死で取り組んでいましたが、心から自信を感じられるようにはなりませんでした。フィンランド前にはテストを予定しているので、昨年初めて表彰台を獲得したラリーでいい走りができるよう、準備に努めていきます」関連:【WRC】 ラリー・ポーランド 結果:ティエリー・ヌービルが今季3勝目