ウィリアムズ・レーシングは、F1のライバルでハースF1チームがそのアプローチで進歩を遂げているにも関わらず、トップチームとの緊密な同盟関係を築くための短期的な計画はないと主張する。グローブに本拠を置くウィリアムズは、グランプリレースで成功するためには完全に独立した存在であることが最も重要だと考えてきた。
しかし、昨年初めからギアボックスを自社生産せず、メルセデスのものを採用したことは、これまでの方針から大きく逸脱することになったが、チームはこれ以上カスタマーチームになる方向には進まないと述べている。また、今年から元メルセデスF1チームの戦略ディレクターであるジェームス・ボウルズがチーム代表として加入。メルセデスとのより強固な関係を推測する声もある。ハースがF1での競争力を高めているのは、フェラーリとの関係によって、メーカーからクルマの部品を調達することで得られるメリットを示しているからだが、ウィリアムズは依然として単独での成功に固執している「今後数年間は、現在のメルセデスとの関係で必要なことができると思う」と、ウィリアムズの車両パフォーマンス責任者であるデイブ・ロブソンは説明する。「彼らは非常に優れたハードウェアをある程度提供してくれる。しかし、我々は独立したチームであり、自分たちで残りの部分を前進させる、もしくあ少なくともその準備ができている必要がある」「2026年に向けて、どのようなことが起こるかは、その時になってみないとわからない。だが、ハースのようなモデルに従いたいとは思わない」デイブ・ロブソンは、F1レギュレーションがウィリアムズとの差を縮めるのに役立っているとはいえ、かつてのF1最大消費者の優位性を保証するレガシー要素がまだたくさん残っていると考えているようだ。ウィリアムズの足かせになっているものは何かと問われたデイブ・ロブソンは「投資額が問題だったという事実を回避することはできないと思う」と語った。「その点ではレギュレーションが改善されたとはいえ、ビッグチームがこの10年間に費やしてきた膨大な資金を元に戻すことはできないだろう」「設備にしろ知識にしろ、彼らはそれを手に入れ、崩壊するまでの時間がある。物事が本当にリセットされるまでには、少し時間がかかるだろう。それも含めての話だ」ウィリアムズは2020年に新オーナーのドリルトン・キャピタルに買収され、同社はチームの競争力を高めるために多額の投資を行っている。ドライバーのアレックス・アルボンは、一夜にして成功をもたらすような改革ができると考えるのではなく、長期的な計画を立てることを非常に重視するドリルトンの考え方に勇気づけられたと話す。アルボンは「役員会とよく話をしている」と語る。「そして、一番大事なことは、長期的なビジョンだ。これは、どのような投資会社にとっても重要なことだと思う」「彼らは本当に将来を見据えていて、投資をしている。彼が改善したいと思っている分野では、彼らがすべてを完全にサポートしているという大きな実感がある」