ウィリアムズF1の暫定チーム代表を務めるサイモン・ロバーツは、新しいオーナーであるドリルトン・キャピタルは将来的にワールドチャンピオンを目標にしていると語る。チームの創業一家であるウィリアムズ家は、8月に投資会社であるドリルトン・キャピタルにチームを買収し、F1イタリアGP後にチームの支配権を同社に引き渡した。
近年、マシン開発に失敗し、連続してコンストラクターズ選手権最下位に終わるなど、負のスパイラルに陥っていたウィリアムズF1だが、2020年は好転を兆しを見せ始めている。とは言え、10戦を終えてまだ1ポイントも獲得できておらず、7回のドライバーズタイトルと9回のコンストラクターズタイトルを獲得したチームの歴史には程遠い内容となっている。しかし、ドリルトン・キャピタルは、ウィリアムズをそのレベルに戻すための長期戦略を立てているとサイモン・ロバーツは語る。「ドリルトンは非常に現実的だ。彼らは多くの調査を行ってきた。過去10~12年にわたってチームを購入した他の人々を調べ、買収から世界選手権への出場、レースの勝利などといったタイムラインを調べた。彼らはこれが旅であることを認識してている」とサイモン・ロバーツは Racefans.net に語った。「この投資は『我々はチームを所有したいだけであり、楽しい時間を過ごすつもりだ』というものではない。レースに勝ち、最終的にはチャンピオンシップを競うことができるようにするための投資だ」2021年から、F1は年間1億4500万ドルから始まる新しい予算上限を導入する。これは、ウィリアムズが強く求めていたF1の金融規制への変更だった。サイモン・ロバーツは、予算上限の結果は、すぐにではなく、今後数年間で感じられるようになるだろうと語る。「ドリルトンも我々の現状を分かっており、多くのお金を費やし、素晴らしい設備と多くの人々など、あらゆるものが揃っているビッグチームが、そのすべてを忘れてしまうわけではないことをわかっている。彼らには利点がある。それが吹き飛ばされるまでには数年かかるだろう」とサイモン・ロバーツは説明する。「ビッグチームには、より低いレベルでの運用方法を学んでいく様々なクロスオーバーポイントがある。長期的にはすべてのレベルが上がると思う」「もちろん、F1に新規参入するチームのための2億ドルの希釈化防止基金は、チームをゼロからスタートできなかい、もしくは実現可能ではいことを意味している。つまり、彼らの唯一の選択肢は彼らが行ったタイミングで参画することだった」現在、ウィリアムズはメルセデスからF1エンジンを供給されているが、他のカスタマーチームのレーシング・ポイントのような技術的な関係を共有していない。ドリルトン・キャピタルが、メルセデスを継続するかどうかをまだ決定していないが、サイモン・ロバーツは、ウィリアムズを“Bチーム”にする準備ができていないと語る。これはウィリアムズ家も貫いてきた哲学だ。「それは我々ドリルトンとそのことについて話し合ってきたことではない」とサイモン・ロバーツは語る。「彼らは、チーム間のパートナーシップの長所と短所を認識している。我々はパワーユニットサプライヤーとしてのメルセデスと非常に親しい。それが延長されるかどうかにかかわらず、ある意味で、それはドリルトンの人たちと行う戦略的な会話のようなものだ。それについての最終決定はない」「しかし、ビジョンと野心という視点で、ドリルトンは我々は“Bチーム”になることを望んでいない」
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