元F1ドライバーのラルフ・シューマッハは、ウィリアムズF1が失楽したのは創業者とその家族による経営がチームを現代のF1に舵を切ることができなかったからだと指摘。ウィリアムズ家は“何年も前”に経営体制を一新すべきだったと語る。40年以上前にフランク・ウィリアムズが設立したウィリアムズF1は、フェラーリとマクラーレンに次いでF1で3番目に成功したチームであり、長年にわたってウィリアムズ家によって運営されてきた。
しかし、近年ではウィリアムズF1のパフォーマンスは低下し、結果も低迷したことから財政難に陥った。特にチーム運営を引き継いだ娘のクレア・ウィリアムズの経営手腕にはたびたび疑問の声が向けられていた。そして、先週、ウィリアムズはF1チームの少数株主または過半数株式の売却を検討していることを発表している。1999年から2004年までウィリアムズF1に所属し、6勝を挙げたラルフ・シューマッハは、ウィリアムズ家による家族経営の失敗がチームの失楽を招いたと考えている。「フランク・ウィリアムズも彼の娘もチームを現代的な方法でリードすることができなかったようだ」とラルフ・シューマッハは Speed Week に語った。「あそこに経営スタイルには多くの問題がある。数年前、若手経営者のために道を開けるべきだった。私自身がそれを経験している。時代は変わったんだ」「フランク・ウィリアムズのシステムは、常に上から多くの圧力をかけて働かせることで構成されていた。しかし、今ではF1を研究している若者がたくさんいる。彼らの中でトップクラスにいるのはごくわずかだ。なぜなら、彼らは操作されることに向いていない」ラルフ・シューマッハは、ウィリアムズF1の売却は十分な資金を持っている投資家にとって良い機会となると考えている。「しかし、フランクとクレアが完全に退き、優秀な投資家が加わるという条件が整った場合のみだ」とラルフ・シューマッハは語る。「僕は今でも素晴らしいレーシングチームだと思っている。自分に適切なパートナーと資金があれば、すぐに関与するだろう」今年に入ってHSBCからの借金を2つのローンへの借り換えを実施。チームの土地と建物、ファクトリーと機械、ウィリアムズの42年の歴史の“文化遺産”である100台を超えるF1マシンが抵当に入れられた。そのローンの1つは息子ニコラス・ラティフィがウィリアムズのF1ドライバーを務めるカナダの実業家であるマイケル・マティフィが所有する会社が請け負っており、ラティフィがチームを売却する可能性も報じられている。だが、ラルフ・シューマッハは、2018年にフォース・インディアを買収しようとしたロシアの大富豪ドミトリー・マゼピンが、ウィリアムズF1チームの買収について有望な候補だと考えている。ドミトリー・マゼピンは、現在F2に参戦する息子のニキータ・マゼピンのためにF1の道を開くことを望んでいる。「マゼピンはスターティングブロックに足をかけている。彼はラティフィや(ローレン)ストロールよりも裕福だ」とラルフ・シューマッハは語る。「これまでのところ、彼は息子のためにフォーミュラ3以上のすべてのチームを購入してきた。我々のスポーツを愛し、たとえ子供たちのためであっても、多くのお金を投資してくれる人がいることは嬉しいことだし、僕はそれを批判することはできない」