フォルクスワーゲンは、WRC 第12戦ラリー・スペインでセバスチャン・オジェが今季8勝目を挙げ、ヤリ・マティ・ラトバラが2位表彰台を獲得。アンドレアス・ミケルセンは残念ながらリタイアという結果となったが、オジェとラトバラが2013年シーズン初の1-2フィニッシュを達成し、同時にフォルクスワーゲン・モータースポーツのマニュファクチャラーズチャンピオンを決定した。
25日(金)に開幕したラリー・スペインは、東部カタルーニャ州の観光都市サロウを中心に開催されるラリー。初日と2日目のSSはターマックで、最終日はグラベルで行なわれる2013 年唯一の「ミックスラリー」となっている。競技は、夜間のSSや山岳路など様々なコンディションの下で行なわれ、2 日目のSS8は、上位選手にボーナスポイントが与えられる「パワーステージ」に設定されている。25日(金)の午後、選手たちはカタルーニャ州都のバルセロナに集結。サンタ・エウラリア大聖堂で行なわれたセレモニアルスタートでラリーは開幕した。この日設定されたSS 3カ所。いずれも夜間ステージであり、ラリーカーはそれぞれ追加ヘッドランプを装着してSSに挑んだ。セバスチャン・オジェは、この3SSすべてでトップタイムを獲得、ヤリ・マティ・ラトバラも安定感のある走りで2番手につけた。ターマックラリーの経験が少ないアンドレアス・ミケルセンも6番手と、順調な滑り出しとなった。デイ2はサロウ北西部の山岳路が舞台となり、ラリー最長となる42.04kmのSS や、ボーナスポイントが与えられるSS8、サロウ市内に設けられた2.24kmというショートステージなど、バラエティに富んだ構成。この日最初のSS4 ではアンドレアス・ミケルセンがリヤサスペンションを破損し、翌日の復帰のため競技続行を断念、また、首位を守っていたセバスチャン・オジェは午前中最後のSS6でパンク、なんとかステージは走り切ったものの、総合6番手にまで順位を落としてした。そんな中、パワーステージとなるSS8ではセバスチャン・オジェが2番手、ヤニ・マティ・ラトバラが3番手でそれぞれ2点と1点を獲得。ラトバラはこのSSで僅差ながら首位に浮上し、最終日へと挑んだ。デイ3はグラベルが舞台。浮き砂利で不利な先頭走者のラトバラは背後に迫るライバルを寄せつけない奮闘ぶりを見せ、午前中のステージ3本を終えた段階でも首位を堅持。その背後では4番手スタートのセバスチャン・オジェも猛追を披露し僅差の3番手まで浮上してきた。勢いに乗るセバスチャン・オジェは、午後のSSでも快走を見せて逆転首位に立ち、今季8勝目を獲得。一方のラトバラはSS14でマシンにトラブルが発生したものの、無事に2位で完走を果たした。この結果でフォルクスワーゲン・モータースポーツは念願のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得、ドライバーを含めたチーム力の高さと「ポロR WRC」の安定感を証明した。15カ所のSS中、12カ所で得たトップタイムも、その強さを裏付ける記録といえるだろう。次戦は11月14日(木)にスタートする第13 戦「ラリーGB」。2013 年の最終戦はウェールズ州を舞台に行なわれるグラベルラリーとなっている。ヨースト カピート (フォルクスワーゲン モータースポーツ ディレクター)「3 つのワールドチャンピオン(ドライバー/コ・ドライバー/マニュファクチャラーズ)を獲得でき、まるで夢のようなシーズンとなりました。チームもポロR WRCも初参戦という状況で、これ以上の結果は望むべくもありません。オジェ選手とイングラシア選手が地元フランスで世界チャンピオンとなったことは間違いなく今シーズンのハイライトでしょう。ですが、自動車メーカーにとっては、今回のマニュファクチャラーズチャンピオン獲得はそれと同じくらい重要なものです。ドライバーだけではなく、ポロR WRC の優秀さも証明されたということですから」ヤリ・マティ・ラトバラ (総合2位)「マニュファクチャラーズチャンピオンになれた事が非常にうれしいです。チームはまさにチャンピオンに相応しい活躍を果たしたと思いますし、ポロR WRC は素晴らしい完成度を誇りました。今日はいくつか細かい問題がありましたが無事に完走でき、なにより初めての1-2 フィニッシュを達成できたことが大きいです。オジェ選手とも正々堂々と勝負できました。次のラリーは好きなラリーのひとつであり、今回2 位を獲得できたことで、非常に前向きな気持ちで挑むことができると思います」セバスチャン オジェ (総合1位)「素晴らしい内容のラリー、素晴らしい内容のシーズンです。最終日のステージはダストで視界を遮られて、途中でスローダウンしなければならないほど大変でしたが、コ・ドライバーのジュリアンイングラシア選手と諦めずに最後まで戦ったことで勝利を得ることができました。フランスでチャンピオンになり、ここスペインでも素晴らしい戦いを見せ、再びの世界チャンピオ──念願のマニュファクチャラーズタイトルを獲得することができ、最高の気持ちです」アンドレアス ミケルセン (リタイア)「まずは素晴らしいシーズンとなったチームにおめでとうと言いたいですね。僕もなんとかチームに恩返しをしようとできる限りのアタックをしました。ポロR WRC はすぐにグラベルにもなじみ、2 度のトップタイムを獲得できましたが、ダストには悩まされました。その後ステアリングやサスペンションにダメージを与えてしまい、再びリタイアを喫することになったのは申し訳ないと思っています。それでもここスペインで得られたものは大きかったと思います」
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