F1は、今後の新しいグランプリサーキットの設計に役立てるためにシミュレーターを活用していく。昨年、F1は2020年からベトナムの首都ハノイでグランプリが初開催されることが発表。ハノイに設置される新しいストリートサーキットにはデザイン面を手助けするためにシミュレーションテクノロジーが活用されることになるという。
最近のF1レースは、オーバーテイクの少なさが指摘されており、2019年はオーバーテイクを増加し、コース上でのホール・トゥ・ホイールのバトルを可能にするために新しい空力レギュレーションが導入される。もうひとつの要素として考えられているのがサーキットだ。近年設計されたサーキットはどれも安全性を重視した似通った特徴のものが多く、サーキット自体もオーバーテイクを減少させている一因だと考えられている。新しいシミュレーターは、エンターテインメント性が高く、接戦バトルに役立つサーキットを設計するために開発された。元ウィリアムズの技術責任者であるパット・シモンズは、ゼロからサーキットを設計する際のプロセスと、それがベトナムのような将来のサーキットの設計にどのように役立つかについて説明した。「我々は私が世界初だと考えているオーバーテイクシミュレーションを作り出した。それを実現するのはかなり複雑だった」とパット・シモンズはコメント。「1周走らせるのに数時間かかる。非常に複雑なシミュレーションだが、クルマの本格的な後流モデルであり、表面、タイヤ特性などあらゆることを見るものだ」「現在、我々は新しいサーキットの設計にそれを使用しており、いくつかの修正を検討するためにもそれを使っている。ベトナムは我々が実際に関与した最初のサーキットだ。我々は良いレースを生み出すために何が必要かを本当に理解することができたと思う」「ベトナムは素晴らしいサーキットになると思う。いくつか素晴らしい特徴があるし、接戦が行われることになるだろう」