ブラジルGPでチャンピオンシップをリードするブラウンのジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロとのポイント差を埋めようとしているセバスチャンは、プレッシャーを感じているのは追われる立場のふたりだと語る。鈴鹿での圧倒的勝利でバトンとの差を16ポイントまで縮めたベッテルは、シーズン最後の2戦にタイトル獲得への期待を賭ける。タイトル獲得の可能性は低いことも認めているベッテルだが、アウトサイダー的立場だからこそ、チャンピオンシップリーダーたちの肩に重くのしかかっているようなプレッシャーは感じないで済むの...
「僕にできるのは、レースに勝つことだけ。プレッシャーを感じているのは、僕の前にいるふたりだ」とベッテルは語る。「僕がレースに勝って、ふたりが失敗すればいいだけ。そんなのは天才じゃなくても分かる」 「前の2戦のシンガポールも日本も、すでに終わったレース。もちろん、シンガポールの成績がもう少し良ければ良かったけれどね。(ドライブスルー・ペナルティで失った)3ポイントを最後に取り返すことができれば良いと思う。日本は素晴らしいレースで、クルマも最高だったので、次の2戦に期待したい」 しかし、ベッテルには大きな仕事が待ちかまえている。タイトル争いを継続させるためにはブラジルでの優勝が必須、バトンは6位以上に入らなければならない。そして、その2週間後のシーズン最終戦アブダビでもレースに優勝しなければならない。インテルラゴスはドライバーの首にストレスがかかる通常とは逆の反時計回りのサーキットだが、ベッテルに不安はないようだ。「このコースは僕たちのクルマに適している」とベッテルは言い切る。「僕たちの強みであるダウンフォースが必用なコーナーも多いので、レースを楽しみにしている。でも、何が起きるかは分からない。今週末はKERS搭載車のチームが優勢だ。急な登り坂もあるし、加速も重要だ」ベッテルにとってはエンジンという頭の痛い問題も残っているので、金曜日は豪雨になって欲しいと願っているようだ。 「前の数レースの金曜日はウェットのことが多かったので、全員が走行を制限されることになった。だから、大きな代償を払わずに走行距離をセーブすることができた」「インテルラゴスは、コンディションが大きく向上するサーキットだ。その上、ウェットかドライかも分からないので、明日はどのぐらいの台数がどれだけ走るのかも分からない」 チャンピオンシップ・リーダーのジェンソン・バトンにとっては、前回のレースに引き続き、タイトル争いに決着をつけることができる週末となるが、プレッシャーは全く感じていないと彼は言う。「セバスチャンは僕たちにプレッシャーがかかっていると言っていたが、そんなことはない。全員が同じ気分だと思う」とバトンは語る。「僕にとっても、セバスチャンにとっても、そしておそらくルーベンスにとっても、初めてのチャンピオンを賭けた戦いだ。エキサイティングなシチュエーションだが、チャンピオンシップをリードしているのは僕だからね」「全員が、今までの経験を大きく上回る何かを目指して戦っているんだ。でも、僕は今朝も笑顔で起きた。自分に世界チャンピオンになれる可能性があるからといって、プレッシャーが大きくなるとは思わないが、興奮が大きくなるのは確かだね。僕はポジティブな気持ちだよ」
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